「BMW」というブランド。
それは、メルセデス・ベンツと並ぶ、人気の高級外車ブランド。
もちろん、もっと格上の高級外車ブランドもあるにはあるが、少なくとも日本で高級外車と言えば、「メルセデス」と「BMW」が2大巨頭と言っていいだろう。
実は私も以前、BMWを所有していた。(^_^)
なお、上の写真のBMWは、某ディーラーでの下取り査定で、なんと220万円という屈辱の査定額が提示された、私の前愛車「BMW 420iグランクーペ Mスポーツ」である。(^o^;
でも弱気にならず、いつも通りの高価買取必勝パターンにより、某買取店で300万円で買い取ってもらうことに成功したことは、まだ記憶に新しい。(^ー^)
ちなみに、下取り査定220万円からの大逆転劇。
300万円での売却を実現した、
実録の過去記事はコチラ。
↓
俺様のBMWを買取店で査定した結果・・・
と、それはともかく、だ。
私と言えば、知る人ぞ知る超絶貧乏人。
本来であれば、BMWなどという高級外車とは縁のないはずの人間だ。
そんな私や、私と同レベルの貧乏人、いや、ヘタすりゃ私より貧乏な奴でもBMWを所有できるようになった背景としては、下記の要因が大きいと思う。
- 1シリーズなど、比較的安価なモデルの拡充
- 残価設定等、ローンプランの拡充
- 程度の良い認定中古車の充実
メーカーもいろいろ考えて頑張っている。
1シリーズの誕生はBMWの敷居を下げてユーザーの裾野を広げることに成功したと言っていいと思うし、他にもトレンドを取り入れて車種を拡充している。
とはいえ、日常の街中で、普通の光景としてよく見かけるようになったBMW。
高級外車として敷居の高かったBMWが、ここまで一般に広がったのは、やはりディーラーの頑張りがあったからこそだろう。
どんなにクルマが魅力的でも、取扱店や正規の整備工場が少ないと、買う側は不安で手を出しにくいし、購入しやすいローンプランがなければ裾野は広がらないものだ。
しかし!
先日、BMW正規ディーラーの元オーナーが、怒りの告発をしたという記事を見かけた。
(参考)
●「ベンツに勝て」BMWジャパンで横行したディーラーいじめの実態
https://friday.kodansha.co.jp/article/86547
上記の参考記事は、最後に、
「ブランド力は信用によって成り立っている。このようなディーラーいじめを続けていては、BMWのブランド力は地に落ちてしまうだろう。」
と締めくくっている。
というわけで、相変わらず前置きが長くなったが、本当にBMWのブランド力は失墜してしまうのか?
上記の参考記事を読んだうえで、私の見解というか、考えを以下で述べたいと思う。
1.確かに、BMWディーラーは・・・
ディーラーいじめの実態を告発した元オーナーによると、2013年頃を境に、BMWから課される販売ノルマが過剰に増え始めたという。
BMWディーラーに限らずどこのディーラーでも多かれ少なかれやっている話ではあるが、販売ノルマを達成できなかった場合、ディーラーは仕方なく自らクルマを購入し、所有者登録をする。
つまり、「新古車」を生み出すことで、数字上、見かけの販売ノルマをクリアするのだ。
告発した元オーナーも、従来はその戦法でノルマをクリアしてきたようだ。
そうまでしてでも、ノルマさえクリアすればBMWからボーナスがもらえるらしく、それがあるから新古車をつくっても何とかやっていけたという。
ところが、ノルマが過剰に増え始めた2013年以降は、BMWからボーナスをもらっても新古車登録にかかった費用を補えなくなった(それだけ新古車が大量になった)ため、ノルマを達成できない状態が続いたそうな。
2016年になると、毎月末にBMWから圧力、脅しとも取れるような電話がかかってくるようになり、2017年9月末、ついに強制的な契約解除に至ったとのことだ。
この話を読んで、ふと思い出した。
私がBMWを所有していた期間は、「528i」と「420iグランクーペ Mスポーツ」の2台を合わせてもたったの5年ほど。
そのたった5年の間に、お世話になっているディーラーの店舗名が、2回も変わっている。(^_^;
1回目の時は通知の封書が届いたかどうか、あまりはっきり覚えていないが、2回目はけっこう最近の話で通知の封書も届いたのを覚えているから、少なくとも確実に1回はオーナーが変わっている。
それもやはり、この元オーナーのように、ノルマ未達成による契約解除でオーナーが変わったということなのだろうか? (^_^;
スタッフはそのままっぽかった(少なくとも私の担当や、顔を知っている人はそのまま居た)ので、あまり気にしてなかったのだが、確かにBMWディーラーはよく名前が変わる(つまり、オーナーが変わる)。(-_-)
2.「新古車でノルマ達成!」は愚策、だが・・・
営業でノルマがあるのって、別にクルマだけの話ではない。
程度の問題はあるにしても、ノルマはあるのが普通だろう。
私個人的には、
「目標は掲げるべきだが、ノルマは不要」
と思っているのだが、まぁ営業の世界、「そんな甘いことを言ってたらやっていけない!」というのがプロの世界の厳しさなのだろう。
だけど新古車って、モノは新品同様なのに、結局はかなり値下げして売りさばかないといけないからね。(^_^;
もちろん、たまぁ~に数台が出回るぐらいなら単なる掘り出し物、めっけモンという程度で、新車販売への影響もあまり無いかもしれない。
でも、少し待てば確実に新古車が出回るのが当たり前の状態になってしまうと、新古車狙いの人が増えて、ますます新車が売れにくくなってしまう。
つまり、新古車を大量に出してノルマを達成するなんてのは愚策で、販売の悪循環を招く行為だと思う。
ちなみに、「新古車」を中古車サイトで探すには、「未使用車」というキーワードで検索すると見つけやすい。
BMW M140iエディションシャドードライビングアシスト 未使用車(BMW)【中古】
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どうでもいいけど、ちょっと検索してみたら、やたらとアル/ヴェルの未使用車多いなぁ。(^o^;
アルファード 2.5S Cパッケージ 登録済未使用車 衝突軽減システム(トヨタ)【中古】
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ヴェルファイアハイブリッド ハイブリッドZ 4WD 登録済み未使用車 両側パワスラ(トヨタ)【中古】
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と、ちょっと脱線したが、とにかく、ノルマを達成できなくてもそれなりに営業を継続していけるならともかくとして、今回の告発のように無理を押し付けられた末に強制的に正規ディーラー契約を解除されるようなことになると、その場を乗り切るためにムチャをするディーラーが出てきても仕方ないだろう。(-_-)
3.大量の新古車はBMWのブランド力を下げるか?
で、結局、このような過剰ノルマを課してディーラーいじめをした結果、新古車が大量に出回った場合、はたしてBMWのブランド力は失墜してしまうのだろうか?
これはねぇ、一言で答えるのは難しいね。(^_^;
というのも、そもそも「ブランド力」の定義が曖昧だと思わない?
ざっくりと乱暴に言ってしまうと、
「たとえ高くても欲しい!」と思ってもらえるかどうか
ってのが一般的な捉え方かなぁ、と。(^^;
仮にそうだとして、例えば新古車が大量に出回るのが当たり前の状態が続くようになったとして、待っていれば新車同様の車両(新古車)が大幅に安く買えるとしよう。
この状態を「ブランド力が下がった」と言えるかどうか。
これだけじゃあ言えない、よね。
条件が不十分だ。
安くても売れなくて困るようなら、ブランド力が下がってるのかもしれないし、そもそもクルマ自体がイケてなくて不人気なだけかもしれない。
でもね、
新古車しか売れなくなったら、それはもうブランド力が落ちてるよね。(^_^;
新古車が無くなったら新車が普通に売れるのであれば、ブランド力は保たれているでしょう。
ただ単に、同じモノ(新古車も未使用車という意味では新車と同じ)なら安いほうがいいよね、ってことで新古車が先に売れてるだけだから。
つまり、新古車が大量に出回ること自体は、ブランド力とは関係ないと私は思う。
恐らく、BMWもそう思っているから、ディーラーに新古車をつくらせてノルマを達成させることを悪としていないのだろう。
4.大量の新古車より、むしろ心配なのは
結局、BMWがBMWらしいクルマをつくっている限り、それを求めている人は安くても高くても買うのだ。
もちろん、欲しくても安くなければ買えないという人は多いので、新古車なら買えるけど新車は買えないという人も出てくるだろうけど、それはブランド力とは関係のない話だ。
というわけで、新古車が多かろうが少なかろうが、販売への影響はあるにせよ、ブランド力を考える上では気にしなくていい。
大量の新古車より、企業コンプライアンスの問題による信用の失墜。
むしろそっちのほうが心配だろう。
告発した元オーナーの話は、自身の実名を出してまで告発しているわけだし、BMWジャパンに対し損害賠償を求めて民事裁判まで起こしているぐらいだから事実なのだろう。
そして実際、私の周りでも、お世話になっているBMWディーラーのオーナーが変わったという状況を見ているだけに、このような無理なノルマの押し付けが全国的に行われているのではないかという雰囲気を感じてしまう。(-_-)
もちろん、どこでもやってる事だろうと言われればそうだと思うのだが、何事にも「程度」というものがある。
全国的に新古車が大量発生しているとすれば、その「程度」を超えている可能性は否定できず、となると、もはや、
「一般消費者にクルマを売るのは難しいけど、正規ディーラーなら力関係でこっちが上だから、『ノルマ』という建前でディーラーにクルマを買わせてしまったほうがラクだな。(^o^)」
とでも考えているのではないか、と。
まぁそれはあまりにも言い過ぎかもしれないが、今回の告発のようなレベルのディーラーいじめが本当に横行しているのであれば、そう思われても仕方ないのではないか?
あまり無理を押し付けて、あちこちのディーラーでBMWに対する不満の声が噴出するようになって、それをメディアが取り上げ始めれば、それこそ「ブランド」としては大きなイメージダウンになるだろう。
まさに、参考記事の締めくくりにある、
「ブランド力は信用によって成り立っている。このようなディーラーいじめを続けていては、BMWのブランド力は地に落ちてしまうだろう。」
は、あながち大袈裟な話ではない。
元BMWオーナーの立場で言わせてもらえば、ひいき目なしに、BMWは確かにいいクルマだと思う。
そう思うからこそ、BMWには「憧れのブランド」であり続けてもらいたいし、「走りへのこだわり」を感じさせるブランドイメージを大事にしてもらいたいと思うのだ。
企業コンプライアンスの問題が指摘されるようなことになれば、
「なんだ、もっとこだわりのあるブランドかと思ってたけど、クルマ売るためならこだわりどころか、手段を選ばない連中なんだな。(^o^)」
などと思われかねない。
そんな悔しい状況にならないことを願うばかりである。(-_-)
コメント
私はBMWを新古車で購入しましたが
色もグレードも選べて、
購入の3日前に登録された車両を購入しました
ディーラーの中古車の9割程が新古車で
新古車って掘り出し物のイメージだったのでビックリしましたね
辛口系おやじ(管理人)です。
購入の3日前に登録とは、絶妙なタイミングでしたね。(^o^)
私が4シリグランクーペを買った時は、まだ新古車になる前の在庫車でした。
そういう意味では私も、
「もう少し粘れば新古車になって、さらに安く買えたかも」
と一瞬思ったりもしました。(^o^;
ですが、新古車になる前の条件ですでに超絶値引きを引き出せたし、そもそも4シリグランクーペはタマ数が3シリや5シリほど多くないので、
「たぶんこのタイミングを逃したら他の奴に取られるだろうな」
と思ったので、新古車になるのを待たずして即決しましたね。(^_^)
まぁしかし、3シリ、5シリあたりは、見込みでけっこうなタマ数を抱えてそうな気がするし、新古車でも好みの仕様の車両が見つけやすそうな気がしますね。(^_^)
そういえば、今現行5シリーズの値段が暴落してますね
この前走行距離4,000km未満でコミコミ460万の523iMスポーツのデモカーが売られてました
新車だと800万越えのグレードなのにこの値段って・・・
ネットで探すとホントに低走行で安い弾がいっぱい出てきますよ
辛口系おやじ(管理人)です。
BMWに限らないと思いますが、外車は新車で買うにしても在庫車の値引きが大きくなるタイミングで買わないと、元の価格設定が高いだけに、値落ちした時の損失額がかなり大きくなってしまいます。
私が以前に乗っていたBMW 528iは、新型登場から3年落ちのタイミングで購入したものですが、高価なオプションがいくつも付いた、まさに個別注文で買われた車両でした。
恐らく、購入時には込み込みで800万円以上はしたはずの車両でしたが、それを私は3年落ちで、込み込み420万円で買いました。
(参考)
●掘り出し物ゲット!俺様の次の愛車が決定!
●俺様のBMW 528iが納車されたよ!
なので、その車両を売ったオーナーは、普通に手放しているとしたら査定400万円未満で手放しているのは間違いないでしょう。
(BMWへの乗り換えで、もっと高額で下取りしてもらってる可能性はもちろんありますが)
新車の激安在庫車を待つのもいいですが、外車は中古で検討するのもなかなかいいと思います。(^_^)
辛口様
いつも楽しく拝見しております。
私もBMW好きですが、EVや自動運転が普及するとBMWがその価値を訴求し続けられるのか危惧しております。
トヨタは裾野市にスマートシティーを作るようです。これはとても面白いと思っています。
ポスト自動車としてBMWが何を打ち出すのか楽しみです。
辛口系おやじ(管理人)です。
確かに、EVとか自動運転とかって話になってくると、今までBMWが培ってきたクルマ造りのノウハウとは全くことなる部分での勝負になってきますからね。
「BMWとしての価値」をどのようにして提供し、訴求していくのか?
BMWに限らず、今までの一流自動車メーカーが、EVや自動運転時代になっても一流であり続けられるのか?
そこは今後の大きな注目ポイントですよね。
そのへんの展望、予測についても、近いうちに私個人の勝手な思いを記事にしたいと思っています。
トヨタのスマートシティーの件についても、私なりに思ったことがいろいろありますので、それもまた別記事で述べたいと思っています。
激動の自動車業界。
ユーザー視点でも不安は多くありますが、今までにない楽しみが生まれる可能性もあると思うので、これからの「激動」を前向きに見ていきたいと思っています。(^_^)