このたびジュネーブモーターショーにて、マツダの新型コンパクトSUV「マツダ CX-30」が公開された。
・マツダ、新世代商品第二弾となる新型コンパクトクロスオーバーSUV「マツダ CX-30」を世界初公開
https://www2.mazda.com/ja/publicity/release/2019/201903/190305a.html
・マツダ CX-30 スペシャルサイト
https://www.mazda.co.jp/cars/new_generation/pre_2nd/
・ライバルはC-HR!マツダ 新型SUV CX-30を世界で初公開!
https://autoc-one.jp/mazda/special-5003943/
・なんと「CX-3」と併売? マツダの次世代SUV「CX-30」
https://clicccar.com/2019/03/06/714265/
皆さんご存知の通り、現在日本で販売されているマツダのSUVには、「CX-3」、「CX-5」、「CX-8」がある。
ここに「CX-30」が割って入ることになるので、ボディサイズがさらに細分化されることになる。
しかし、「CX-30」だけ車名が2桁になっているため、車名による序列が分かりにくい。
そのため、それぞれのボディサイズの関係も、直感的に分かりにくくなる。
「CX-3」と置き換わるならまだしも、上記参考サイトの情報を見る限り「CX-3」も併売するという話なので、話はますますややこしい。(^_^;
なので、ここはまず、各モデルのボディサイズの違いを整理・把握しておきたいところだ。
そんなわけで、今回ニュースで「CX-30」という名称を見た瞬間は、ちょっと驚いた。
「なんでこんな『序列』が分かりにくくなる車名を付けたのだろう?」
と。(-_-;
しかし、よくよく考えてみると、
「なるほどな」
と思った。(^_^)
そこで今回の記事では、
- マツダSUV群のボディサイズ比較
- 私はなぜ「なるほどな」と思ったのか?
- 今後のマツダ車はどう展開していくのか?
- スカイアクティブの黒歴史・・・
についてお話しするとしよう。
なお、本記事には私の独断と偏見による見解が多分に含まれることを、あらかじめご了承頂きたく、その上でお読み頂きたいと思う。
目次
1.マツダSUV群のボディサイズ比較
マツダSUVのボディサイズを比較すると以下の通り。
「CX-30」のボディサイズは「CX-3」と「CX-5」の間にあることが分かる。
車名 | CX-3 | CX-30 | CX-5 | CX-8 |
全長 | 4275mm | 4395mm | 4545mm | 4900mm |
全幅 | 1765mm | 1795mm | 1840mm | 1840mm |
全高 | 1550mm | 1540mm | 1690mm | 1730mm |
注意!)2019年3月7日現在でのボディサイズ比較です
正直、「ここまで細分化する必要があるのかな?」と思ってしまう。(^^;
まぁ確かに、
「CX-3ではちょっと小さい。
でも、CX-5だと急にデカすぎる!」
という人は結構いたんじゃないかと思うので、そういう意味では「CX-30」のボディサイズはニーズをとらえたボディサイズと言えるのかもしれない。
2.私はなぜ「なるほどな」と思ったのか?
マツダ新世代の車両であることを車名で明確に示したかったのか、車名が2桁になった今回の「CX-30」。
私は最初、この車名を見たとき、
「1桁の車種と2桁の車種がラインナップに混在したら分かりにくいじゃないか。」
「それに、新世代の車両とは言っても、そんなの、時がたてばそのうち全部が新世代の車両に変わっていくわけだし、別に車名をわざわざ新たに設定しなくても、既存の車名のままで徐々に新世代車両に切り替えていけばいいジャン。」
「そうしないと、さらに次の世代の技術が投入されるようになったら、じゃあ今後は車名を3桁にするのかい?そんなことしてたらキリないジャンか。」
と思った。
付ける名前がない!
しかし、、、
よくよく考えてみると、
「じゃあ既存のネーミングルールのままで、『CX-3』と『CX-5』の間のボディサイズを持つ車種を新たに出そうとしたらどう名前を付ける?」
となると、確かに、「付ける名前がない!」のだ。(^o^;
マツダ車をあまり知らない人は、「CX-4」にすりゃいいジャンか、と思うかもしれないが、「CX-4」という車種はすでに存在していて、中国で売られているのだ。(^_^;
「新世代」を明確にアピール!
そこで新たに「CX-30」という名前を付けた。
ボディサイズ的には「CX-3」と「CX-5」の間のサイズなので、だったら「CX-40」でもいいんじゃないかという気もするが、今後の展開を考えた時、
「なるほど!
ここで『CX-30』という名前を付けたのは、なかなかの妙手だな!」
と思ったのだ。(^_^)
ここで次世代車両として「CX-30」という新しい名前を付けたことにより、新型アクセラは日本でも「マツダ3」という車名で発売されることになるのはまず間違いないだろう。
これによって日本の一般消費者に対しては、
「マツダの新世代車両には、新しい名前が付いてるんだ」
と認識させることができる。
つまり、新世代の商品を目立たせることができるわけだ。
「CX-30」という車名に秘められた別の目的
という風に思わせておいて、実は隠れた目的が、「CX-30」という車名には秘められていると私は読んだ。
単に「新世代の商品として目立たせるため」と思わせておいて、さりげなく別の目的も盛り込んでいる。
そう感じたから、私は「なるほどな」と思ったのだ。(^_^)
別の目的とは何か?
それは、今後のマツダ車の展開を想像すると、見えてくるのである。(^_^)
3.今後のマツダ車はどう展開していくのか?
ではここで、マツダ車の今後の展開を考えてみよう。
まずは新型アクセラが、今年のフルモデルチェンジを機に「マツダ3」として発売されるだろう。
「マツダ3」の発売と共に、「アクセラ」という車名はマツダ車のラインナップから消滅することになる。
じゃあ「アテンザ」はどうだ?
アクセラがマツダ3になったからには、アテンザも次のフルモデルチェンジで「マツダ6」になるのが必然というものだろう。
じゃあ「デミオ」はどうだ?
アクセラとアテンザの流れに従い、デミオも次のフルモデルチェンジで「マツダ2」になるのが必然というものだろう。
じゃあ「CX-5」はどうだ?
まだまだ先とはいえ、次のフルモデルチェンジで新世代版になるのだから、「CX-30」と同じく2桁化して「CX-50」と名付けるのが自然な流れだろう。
じゃあ「CX-3」はどうだ?
冒頭に記載した参考サイトの情報によると、「CX-30」と「CX-3」は併売されるという。
だが、私はそれは長くは続かないと思っている。
1桁の車名は古い技術の車両であることを示している状況だけに、「CX-3」という名前を掲げているということは、「このクルマは古いですよ!」と自ら言ってるようなものだ。
なので、「CX-3」も早くフルモデルチェンジして、新世代の車両へと切り替わらなければならない。
行き場を失う車種が1つ・・・
もうお気付きだろうか?
じゃあ、新世代の車両へと切り替わったフルモデルチェンジの「CX-3」は、何という車名にすればいいと思う?
困るよね? (^_^;
「CX-30」はすでにあるわけだから、「CX-30」という名前は使えない。
つまり、フルモデルチェンジしないまま消滅するか、あるいはマツダ2(旧デミオ)ベースのSUVということで、「CX-20」という名前を付けることになるだろう。
つまり、新世代車両のネーミングへの切り替えに紛れて、「CX-3」はさりげなく葬ることもできるし、「格」に合った車名に付けなおすこともできるのだ。(^_^)
クルマに詳しくない人なら、「CX-3」が「CX-30」に置き変わったのだと、勝手に勘違いしてくれるだろう。(^o^)
4.スカイアクティブの黒歴史・・・
大失敗!迷走したSUV
私はスカイアクティブ以降のマツダ車には良い評価を付けることが多いが(実際 良いので)、「CX-3」に関してはかなり悪い評価を付けた。(-_-)
はっきり言って、「CX-3」はスカイアクティブにおける唯一の黒歴史だと思っている。
デザインは良かったんだけどねぇ。(^_^;
だが、「ディーゼル1本でいく!」という思い切った戦略でスタートするも、結局は販売不振に陥り、ガソリンモデルの追加を余儀なくされた。
ディーゼルエンジンも、当初はデミオと同じく1.5リッターだったのが、後に1.8リッターに変更された。(ちなみにデミオは1.5リッターのまま)
つまり、「ディーゼルのみ!」というこだわりも崩壊し、デミオベースで内装もデミオレベルなのに、パワートレインだけはアクセラレベルに引き上げられるという、まさに迷走し続けてきた車種と言えるだろう。
「CX-30」が隠れ蓑になる!
だが、「CX-30」の登場により、「CX-3」の迷走も終わりを告げることになるだろう。
デミオベースの「格」にふさわしい、「CX-20」という名前でフルモデルチェンジされるのか。
「CX-30」との併売から徐々にフェードアウトして、黒歴史として完全に葬られるのか。
私としては、「CX-30」があれば、「CX-20」は必要ないような気がするので、これを機に「CX-3」はさりげなく葬ったほうがいいんじゃないかなぁと思う。(^^;
ちょっと押せば「CX-30」を買ってくれそうな客が、わざわざ安い「CX-20」のほうに流れたら、利益的にもメリットがないと思うしね。
以上、私の独断と偏見による、マツダ車の今後の展開予想、でした! (^o^)
コメント
MAZDAは車は良いんですが、トヨタと対照的に「売り方」が下手ですよね。
CX-3販売当初の「ディーゼル一本」もそうですが、アクセラ販売当初の「ディーゼルは2.2のLパケ一本」も同様で、更に言えばデミオのガソリン車が当初1.3ℓだったのもいかななものかと思います。
で、今回の新型MAZDA3に関しても、まだ未確定な事前情報ですがパワートレーンはガソリン1.5、ディーゼル1.8、Skyactiv-X2.0の三種だけだとか。
これにもしかしたら、ガソリンの2.0が加わるという噂もありますが、それなら2.0のマイルドHVも欲しい所だし、ガソリン1.5のネガ要素だった「登坂・高速合流等での若干の非力感」を補う意味でも、ガソリン1.5にもマイルドHVはラインナップするべきだったのではないかと。
加えて言うなら、今回のガソリン2.0マイルドHVやガソリン2.5ですら「パワトレーンが弱い、シャシーが勝ちすぎている」と評価されるぐらいの新型プラットホームにおける堅牢なシャシーならば、現行アクセラで「過剰」と評価された2.2XDも残して良かったのではと思ってしまいます。ユーザーの選択肢を狭めすぎなのではないかと。
辛口系おやじ(管理人)です。
そうですね、チョイチョイ変な売り方しますよね。
おっしゃる通り、グレード構成含め。(^^;
CX-3はその最たる例だったと思います。
私を担当してくれていた営業マンさん(その後、別店舗の店長になられたので異動になりましたが)は、なぜだかCX-3の1.5Dを気に入ったとかで、アクセラから乗り替えてましたが、私は、
「どう考えてもアクセラのほうがいいと思うけどなぁ。。。(^^;」
と思いながら話を聞いていたことを思い出します。(^_^;
オールニューのマツダ3はどうなるか。
このクラスは主力なので、CX-3のように大コケはできないところです。
まぁあの感じだと、大コケにはなりようがないと思いますけどね。(^_^)
もう商談が開始されたという噂もありますが、どっちにしても私は正式発表までは動かないので、じっくり待ってマツダ3を見極めたいと思います。(^_^)
はじめまして!
いつも拝見させていただいてます。
確かに新世代のラインナップの為と言われるとそのように感じますね。
私はF30に乗っており、次はSUVに乗り換えたいのですが立体駐車場の為、どうしてもサイズに制約がかかってしまいます。
辛口さんにお聞きしたいのですが、最近は海外メーカーの方が日本の事情を考慮したクルマ作りをしているように感じますがどう思われますか?
世界的にもSUVブームなのにどうして日本のメーカーは立駐にも入るSUVを作らないのでしょう。cx4は中国専売だし。(メルセデスやBMWはGLAやX2があるのに)
なのでMAZDA6ベースで立駐に入るcx40とcx5の後継機のcx50が出たらいいのになぁと思います。
辛口系おやじ(管理人)です。
うーーーん、海外メーカーのクルマの場合、たまたま、
「こんな新しいクルマ、どう?」
と思ってつくったクルマが日本の事情に合っていたというだけで、日本を考慮してるわけではない気がします。(^_^;
でも確かに、日本の立体駐車場を考えると、SUVではかなり選択肢は少ないのが現実なんでしょうね。
最近あまり立駐を利用していないので、立駐のサイズ制限が気になることは、私は無いですけどね。(^o^;
近年のマツダのsuvに重きを置いた経営方針、
スカイアクティブ、Gベクタリング云々の一般には分かり辛い技術名称、アクセラ、アテンザ等の似た車名、そして今回のCXネーミング、
いくら5%(でしたっけ?)のニーズを狙ったマーケティングとはいえ、かつての5チャネル化失敗の匂いを感じてしまうのは私だけでしょうか…
辛口系おやじ(管理人)です。
たぶん大丈夫だと思います。
5チャンネル体制の頃とは、つくってるクルマそのもののレベルが違いますからね。
トヨタと違って売り方がヘタクソなところはありますが、スカイアクティブ以降、本当に愚直に良いクルマをつくっていると思います。
それが徐々に知られるようになってきたのか、世間のマツダ車に対するイメージは、昔に比べかなり良くなっていると感じます。
確かにたまに「?」な事をして、失敗することもあるかもしれませんが、今はまさにブランド力を高める道中にあります。
多少の試行錯誤で失敗することはこれから先もあるでしょうけど、昔と違って土台となる商品のクルマがしっかりしているので、大丈夫だと思います。(^_^)
CX-3は日本では売れませんでしたが世界販売ではデミオより売れたのでまあ成功と言っていいのでは