マツダ6(MAZDA6)の予約受注が開始

 昨日の記事でも触れたばかりだが、アテンザがフルモデルチェンジを待つことなく、「マツダ6(MAZDA6)」に車名変更された

本日(2019年7月4日)より予約受注が開始されている。

なお、発売日2019年8月1日を予定しているとのこと。

(参考)
●【マツダ6 改良新型】アテンザ改め、2.5リットルターボを新設定
https://response.jp/article/2019/07/04/324084.html

 すでにマツダのホームページから「アテンザ」は消え去っており、代わりに「MAZDA6」のページが登場している。

なお、マツダ6(MAZDA6)のグレード構成と価格は以下の通り。

(参考)
●「MAZDA6」の予約受注を開始
https://www2.mazda.com/ja/publicity/release/2019/201907/190704a.html

 マツダ6(MAZDA6)になってどこが変わったのかと言うと、下記の通り。

 なんかいろいろ書いてあるように見えるかもしれないが、1つ1つよーく見ると大した変更ではない。

正直、G-ベクタリング コントロール プラス(GVC プラス)なんか、付いてても付いてなくてもあんまり走りの違いが分からない。(^_^;

一部のグレードにIRカットガラスが標準装備されても、見た目に何が変わるわけでもない。

マツダコネクトが「Apple CarPlay」や「Android Auto」に対応したところで、使わない私にとってはどうでもいい話。

 なので、実質的には、

2.5リッターガソリンターボ(SKYACTIV-G 2.5T)のグレードが追加された

という事ぐらいしか変更点がない。(^_^;

 つまり、モノとしてはほぼアテンザと変わらないレベルであり、「単に車名が変更されただけ」と言っても過言ではない状況だ。

 というわけで、私としてはアテンザ(マツダ6)は次のフルモデルチェンジまで手を出さないと決めているので、もはや試乗の対象ではない。

 しかし、今回の車名変更については、いろいろと思うところもある。

この車名変更は、マツダに、そしてアテンザ(マツダ6)に、どういったメリット/デメリットをもたらすのか?

以下で率直に語らせて頂こうと思う。

1.車名変更によるメリットは?

(1)販売促進につながる

 この単なる車名変更によるメリットがあるとすれば、これまでマツダ車のことをあまり知らなかった人たちが見た時に、

新しい車種

と、勝手に勘違いしてくれることかな。(^o^)

なにしろマツダ3(MAZDA3)はオールニューで登場しているだけに、そういった勘違いをしてもらえる確率も高くなるというものだ。

 しかし、実際にはマツダ6(MAZDA6)は現行型アテンザそのものであり、幾度の改良が重ねられているとはいえ、基本的には2012年に登場したクルマである。

それを、まるで新型車を購入したかのような気分で、何も知らない客が買っていくわけである。(^_^;

 もちろん、営業マンによっては、相手(客)を見てそれなりにマツダ6(MAZDA6)の素性について説明はすると思うが、相手によっては説明することで話がややこしくなるだけなので、

「新しく出ました!」

的なアピールで商談を進めるケースもあるだろう。

まぁ確かに、「新しく出た」には違いないので、ウソにはならないしね。(^o^;

 そんなわけで、販売促進という面では、それなりに車名変更のメリットがあるのではないかと。

2.車名変更のデメリットは?

(1)フルモデルチェンジのインパクトが薄れる

 一足先に登場したマツダ3(MAZDA3)は、アクセラのフルモデルチェンジと同時に車名変更されての登場だった。

それだけにインパクトも大きかったし、実際、メディアでの扱われ方も通常のフルモデルチェンジの時より盛り上がっていたように感じる。

 しかし今回のマツダ6(MAZDA6)は違う。ただの小変更とグレード追加のみだ。

 デミオも、フルモデルチェンジを待たずして、近いうちにマツダ2(MAZDA2)に車名変更される。

 つまり、改良の規模や内容と、車名変更には全く一貫性がない

 こうなると、肝心の「フルモデルチェンジした時のインパクト」が弱くなる気がするのだ。

せっかく次世代の技術が使われた、全く別物の新型登場なのに、である。

それってスゴくもったいない感じしない? (^^;

(2)フルモデルチェンジが売りにくくなる

 ブランド力の向上を目指すマツダ。

直6/FRが導入されるとすれば、次のフルモデルチェンジのマツダ6(MAZDA6)は、プレミアム化されて価格帯が上がることも考えられる。

 しかし、、、

いま車名変更するということは、フルモデルチェンジする前からマツダ6(MAZDA6)という車名が存在することになるわけだ。

これを次のフルモデルチェンジでいきなりプレミアム化するとなると、つい先日までド大衆車だった同じ車名のクルマが、いきなり高くなる、と。

こうなると、一般の消費者から見れば急に値上がりした感じがして、販売面で苦戦するのではないだろうか?

たとえ、クルマ自体がそれまでのマツダ6(MAZDA6)とは別格のモノになっていたとしても、だ。(-_-)

(3)マツダ6(MAZDA6)のネームバリューが下がる

 プレミアム化したマツダ6(MAZDA6)を、プレミアム志向の客に売っていこうとした時、これまた困ったことになる。

単純にアテンザがマツダ6(MAZDA6)に車名変更されただけに近いド大衆車だったはずのクルマを、いくらフルモデルチェンジしたからと言って、いきなり、

「プレミアムです」

と言われても、素直に受け入れられない客も多いはずだ

 もちろん、クルマの内容や出来栄えでプレミアムか否かを判断してくれる客ならいいのだが、残念ながらプレミアム志向の客というのは、そもそも車名(ネームバリュー)を気にする人が多かったりする。

そうなると、ただでさえマツダ6(MAZDA6)は不利なのに、しかもついこの間までド大衆車として売られていたクルマの車名と同じとなると、ますます相手にしてもらえないだろう。(-_-)

 そういった観点から言っても、プレミアム化のタイミングと車名変更のタイミングは、せめて同時であるべきだと思うのだ。

(4)「アテンザ」の中古車の価値が下がる?

 アテンザとマツダ6(MAZDA6)、モノとしてはほとんど変わらないのに車名が変わった。

こうなると、「アテンザ=古い」「マツダ6(MAZDA6)=新しい」という単純な判断をされてしまいかねない。

もう一度言うが、モノとしてはほとんど同じなのに、である。

 中古車相場をチェックしたわけではないが、マツダ6(MAZDA6)がそのへんを走り出す頃には、「アテンザ」の中古車相場、買取相場は下がってしまうかもしれない。

なんせもう「アテンザ」という車名が無くなるわけやからね。

「消滅した車名のクルマをわざわざ買いますか?」って話で。(^^;

通常の改良前/改良後で生じる相場変化より、大きな影響が出ると考えるのが普通ではないだろうか? (-_-;

3.落ち着け!マツダ!

 ここ最近のマツダの動きを見ていると、どうもブランド力の向上への取り組みを急ぎすぎて、客観的な視点が持てなくなってしまっているように感じる。

今回の車名変更だってそうだ。

早く車名ルールの統一化を図りたいのは分かるが、そういう形式的なことよりも、もっと大事なことに考え、と言うか、想像力が及んでいないのではないだろうか?

 車名って、プレミアム化を目指すなら、けっこう大事だよ。(^^;

こんなタイミングで軽々しく変えられるような車名が、プレミアムカーの車名として認められるのかどうか。

今後のマツダの舵取りに注目したいが、個人的にはもう少し落ち着いてもらいたい。(^_^; 

 以上。

アテンザの車名変更を受けて、私が思ったことを率直にブチまけさせてもらいました。

異論反論あるでしょうけど、こういう厳しい意見もまた期待の裏返し、ということで、マツダファンの方にはご容赦頂ければと思います。(^^;




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コメント

  1. 太朗 より:

    どこぞのT社がALL NEWと称した年次改良をしてたときも同じような内容の記事書いてたような(笑)

    アテンザですが、、、車名変えるくらいなら最新のマツダコネクトでもつけて欲しかったですね。何も知らずに見に来た客にどう説明するんでしょう?
    車格が下のMAZDA3には最新のコネクトついてます!新しく出たMAZDA6は旧式ついてます!…うーん

    • 辛口系おやじ より:

      辛口系おやじ(管理人)です。

      はいはい、ありましたね。
      あれは「アクア」だったですかね?
      トヨタはそういうセコい戦法をよく使ってそうなので、どの車種だったかはっきり覚えてないですが。(^o^;

      車名を変えるとなると、世間一般的な認識としては、

      「車名まで変わるんだから、相当ダイナミックにあちこちが変わるのだろう」

      と、普通は思いますよね。(^_^;

      まぁ何も知らない客には、余計な事は言わずに「新しく出たクルマ」として売るんでしょうね。
      気の毒としか言いようがないですが。(^_^;

  2. 匿名 より:

    マツダ3のときにも思いましたが、
    マツダは売り方が下手ですよね。
    スカイアクティブX搭載車だけマツダ3にしてそれ以外をアクセラのままにしておけばよかったと思います。

    良く言えば廉価グレードでも手を抜いてないですが、
    悪く言えば最上位グレードを買ったときの特別感が小さいです。
    もちろん走らせれば違いはもちろんあるでしょうが、
    いわゆるお金持ちが期待するのは見ただけでわかる違いがでしょう。
    自分たちが400万出して買った車と同じような車が200万程度で売られていたら気分は良くないでしょうから。

    名前の変更なんて絶好のチャンスなんですけどね。

    • 辛口系おやじ より:

      辛口系おやじ(管理人)です。

      「X搭載車だけマツダ3にして、それ以外をアクセラ」、これはまた斬新な。
      その発想は思い浮かばなかったです。(^o^;

      でも、アクセラとマツダ3(MAZDA3)の名前を両方残すと、海外名で不都合が起きるんですよね。

      日本のアクセラが海外ではMAZDA3という名前で売られていたので、日本にアクセラとMAZDA3の両方があるとなると、海外で売るMAZDA3はどうなるんだ?
      ということになってしまいますから。(^_^;

      そうなると、日本名と海外名を共通化してシンプルにするはずが余計にややこしくなってしまうので、「X搭載車だけマツダ3にして、それ以外をアクセラ」というのはちょっと現実味が無いかな、と。(^^;

      でも確かに、SKYACTIV-Xは明らかに価格帯が高いですからね。
      おっしゃる通り、「特別感」を感じさせる何らかの方法を考えてもらいたいところではありますよね。

      まぁSKYACTIV-Xはほとんど売れないだろうとは思いますが、それならなおさら特別感が欲しいですモンね。(^o^;

      • 匿名 より:

        確かに不都合は起きますね。

        世界初のエンジンなんですから専用車種を用意するほうがよかったかもしれませんね。
        そうであればリアサスペンションもトーションビームではなくもっと価格を上げれたでしょう。
        アクセラが400万弱よりも、「世界初エンジン搭載新型車450万」のほうが金持ちは買いそうじゃないですか?

        • 辛口系おやじ より:

          辛口系おやじ(管理人)です。

          専用にしちゃうと、確実に「売れない車種」になってしまうのが目に見えてるだけに、今のマツダでそれは出来ないでしょうね。(^_^;

          まぁそこを「売れる車種」にできるぐらいに「ブランド力」を上げようとしているわけですが、そのブランド力がまだ無いうちに無謀な冒険をしてしまうと、ダメージがデカいですからね。(^o^;

          とりあえず、SKYACTIV-Xに関しては、今はそんなに売れなくてもいいと思います。マツダも売れると思ってないはずです。

          たとえ売れなくても、「世界初を実現した!」という証を量産車で示すことが、今後のブランド力の向上につながると思うのです。(^_^)

  3. 匿名 より:

    このタイミングでの車名変更について私も同意見です。新規ユーザーからしたら意図がよくわからないし、ややこしく感じるのでは。せめて外観やマツダコネクト含む内装をマツダ3と同等にして欲しかったですね。

  4. 匿名 より:

    新モデル感を出すという意味では
    むしろ去年の大幅改良の時点でMazda6に改名していたほうがよかったかもしれませんね
    実際中身に関してはFMCチェンジ並みに変わりましたし(あの変更内容だと最低3~4年は売らないと元取れないと思います)
    今回の改名はアテンザ単独のモデルライフで見ると、もの凄く中途半端なタイミングですよね
    ちなみにデミオも近々Mazda2に変わりますが、これは大幅改良と同タイミングでの改名になります

  5. より:

    車名変更は失敗だと思います。
    厳密に言うと、ネガティブに作用した後、元に戻るという感じです。
    デミオ、アクセラ、アテンザ、CX、これらってマイナスイメージありますかね?マイナスイメージ持ってる人って最初からマツダは対象外な人だけじゃないでしょうか。
    デミオやCXの評価が良くなったのは、デザインや走行性能や内装のおかげで、名前変えたら良くなる物でもないと思います。むしろ個人的には愛着があるような。
    車名変更するより、さらなる走る楽しさの追求と、ブランドイメージや価格に釣り合わなくなってきたディーラーの接客をどうにかすべきかと。

    • 辛口系おやじ より:

      辛口系おやじ(管理人)です。

      マイナスイメージは各車種に対してと言うより、「マツダ」そのものに対して根強く残っている部分はあると思います。
      なので、おっしゃる通り、そういう人は最初からマツダは対象外な人だと思います。

      ディーラーの接客は、私は特に不満を感じていないので気になりませんが、

      「こんなタイミングで車名変更することを考えてる暇があったら、もっと他に考えなアカンことナンボでもあるんちゃうの!?」

      とは言いたくなりますね。(^^;

  6. ぼの より:

    大多数の一般人(サイレント・マジョリティ)に向けての名称変更だと思います。

    理由ですが、
    マツダの車は“知ってる人”や“車好き”ならともかく、『アテンザ』や『アクセラ』の区別がつきにくいです。

    名称だけでなく外観でも区別がつかないのがマツダ。
    これは車への哲学やイメージが統一されていくメリットがあります。
    反面、車格が伝わらないのがデメリットですよね。

    これは憶測ですが、
    第7世代を待たずに名称変更した理由は、
    MAZDA3を見た人が『後部座席が狭い!』とか、
    『もっとサイズの大きいセダンは無いのか?』とか、
    そもそもマツダに興味が無い人がぶち当たる壁を、再認識したのではないでしょうか。

    持論ですが、
    『どうせ起こす変化ならば、早い方が良い』と思います。
    タイミングが重要なのは理解しますが、そう思うのは“知ってる人”と“車好き”の為です。

    私は車関係ではないですが、製造業なのでこのような現象に大変興味を持っています。
    変化に混乱は付き物ですので、バッシングも覚悟の上で踏み切ったのは
    マツダ・ブランドの統一イメージの為と思われます。
    (そこに関してマツダはブレたくないでしょうから)

  7. A より:

    たらればですが
    鼓動デザインでエクステリア刷新、統一した時
    つまり、初代デビュー時にmazdaシリーズとして出せば良かったかもですね
    それぐらいデビュー時は鮮烈でした
    デザインだけでなくソウルレッドという赤を前面に押し出した点も当時珍しかった

    • 辛口系おやじ より:

      辛口系おやじ(管理人)です。

       確かに、鼓動デザインのスタートと名前の変更を合わせれば、最もインパクトはあったと思いますけどね。

      でも、「鼓動デザインでエクステリア刷新、統一した時」は、マツダは生きるか死ぬかの運命がかかっていたので、名前の統一とか、そんなこと考えてる場合じゃなかったと思います。(^o^;

      そういう意味では、名前の統一などという、ある意味どうでもいいことを考えられるようになったということは、今のマツダは多少「余裕」ができたということだと思います。(^o^)

  8. 通りすがり より:

    そもそも、海外では元々「MAZDA6」の名称で売っていたんじゃないの?

  9. 通りすがり より:

    アクセラにしろアテンザにしろ、元々海外での名称は「MAZDA3」「MAZDA6」だったわけで、日本国内でも名称を統一しただけなのに、「拙速なブランド戦略」とか批判するのは意味不明じゃないの?

    • 辛口系おやじ より:

      辛口系おやじ(管理人)です。

      我々クルマ好きにとっては、アクセラやアテンザが海外で「MAZDA3」「MAZDA6」で売られていることは常識なのですが、ほとんどの一般の人はそんなこと知らないですからね。(^^;

      それどころか、そこそこクルマ好きな人でも、マツダに全く興味のない人は知らなかったりしますし。

      そういう状況を考えたら、車名を変更するタイミングというのは、もっと適切なタイミングがあるんじゃないの?と思いますし、記事にも書いた通り、何より今後の「ブランド力」の向上や「プレミアム化」を考えたときに、弊害が出てくると思うわけです。

      みんなが、アクセラやアテンザが海外で「MAZDA3」「MAZDA6」で売られていることを当たり前のように知っていて、プレミアムカーを求める層が「クルマの中身」でクルマを判断してくれる人ばかりなら、何の問題もないとは思いますが。(^^;

  10. 匿名 より:

    そもそも2とか3とか囚人番号じゃあるまいし、私は割と名前も重要だと思っているので、数字だけとか色気もへったくれもないです。

    ただでさえ正面からの見た目は全部似たようなものなのに、「2?あ~元デミオだっけ?」とかいちいちめんどくさいことこの上なし!

    • 辛口系おやじ より:

      辛口系おやじ(管理人)です。

      確かに味気ないというか、昔から個々に車名が付いてるのが当たり前の日本車に馴染んできた我々にとっては、何ともつまらない車名ですよね。(^o^)

      正面の見た目の統一性も含め、欧州プレミアムに倣った、ブランドイメージの確立を図っているのでしょう。

      もうちょっと違うやり方もあるだろうとは思うのですが、「まずはうまくいってる人のやり方をマネしてみる」というのは何事においても基本ですので、まずはマネしてみようってところじゃないでしょうか。(^o^;

      いずれブランド力の向上がうまくいって、ある程度の冒険ができる状況になれば、そこからがオリジナリティの見せどころかと思います。

      それまで気長に、マツダの動向を観察するとしましょう。(^_^)