今やホンダの主力商品となった軽自動車「Nシリーズ」。
その中でも、2019年8月9日に発売されたばかりの新型「N-WGN」が悲惨な状況だ。
発売から約1ヶ月後の9月2日、パーキングブレーキ不具合の可能性を示す警告灯が点灯するという問題が見つかり、早くも出荷停止、生産停止。
●ホンダ、新型N-WGNの生産停止 警告灯の不具合
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50642840V01C19A0NNE000/
その問題がメディアで報じられた当時、ホンダの広報は、リコールに関しては「現時点で予定していない」としていたが、その後も生産停止状態は続いていた。
そしてついに昨日の12月12日、リコールが発表された。
●N-WGN、N-WGN Customのリコール
https://www.honda.co.jp/recall/auto/info/191212_4622.html
●ホンダN-WGNリコール 8月発売ですぐ生産停止
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53282070S9A211C1CR8000/
リコール対象は販売済みの全ての車両。
販売店の展示車両も含むという。
部品交換など対策を進め、今月下旬には出荷を再開、来年の1月下旬には生産も再開するという。
1.論外すぎる、低レベルな不具合原因
リコールの詳細は下記の通り。
原因の欄を読んで頂くと分かると思うが、
「よくこんな論外な状態のパーキングブレーキアッセンブリーを供給しよったな」
と思うほど、あまりにも基本的なところでの不具合で、ヒドい内容である。
こんなヒドいアッセンを供給されてしまったホンダが気の毒になってくるが、このサプライヤーを選んだのはホンダだし、そもそもこんな論外な不良品、発売・出荷の前の段階でチェックできなかったのだろうか? (^_^;
2.パーキングブレーキのサプライヤーはどこ!?
ってゆーか、ここまで論外だと、
「こんな論外なパーキングブレーキを供給したサプライヤーはどこの企業なのか?」
が気になるというもの。
過去のメディアの記事に、下記のような記事がある。
●ホンダN-WGN、ボッシュの元ブレーキ部門 蘭CBI製のEPB採用
https://www.netdenjd.com/articles/-/217043
記事タイトルにもある通り、N-WGNのパーキングブレーキのサプライヤーは、元々はボッシュのブレーキ部門で、「CBI(シャシー・ブレーキ・インターナショナル)」という企業。
2012年にボッシュがブレーキ部門を「KPSキャピタルパートナーズ」に売却。
さらに今年(2019年6月)、その「KPSキャピタルパートナーズ」から、日立オートモティブシステムズが「CBI」を買収した。
●日立、オランダの車部品会社を買収 830億円
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46302740Z10C19A6TJ1000/
元はボッシュのブレーキ部門と聞くと、何だか安心感があって信頼しきってしまいそうになるのだが、10年も経たない間に2度に渡る売却。
こうなると、本当にボッシュ時代の技術力や品質確保の体制が維持できているのかどうか不安になる。
ほら、売られる側の会社って、売られる前に人材が流出したりするジャン。
しかも「使える奴」が出て行って、使えない奴は着実に残ったりして。(^o^;
ホンダは、「ホンダセンシング」のサプライヤーがボッシュということで、協調制御しやすいという点を考慮して「CBI」のパーキングブレーキを採用したようだが、「元ボッシュのブレーキ部門」ということで、品質のチェック体制に油断があったのではないだろうか?
まぁそれはあくまでも憶測にすぎないが、
「よくこんな論外なアッセンをそのまま量産車に載せよったな」
というのが、今回のリコールを見て思った率直な感想だ。(-_-)
3.安全の基本を大切に!
フットブレーキと比べると軽視されがちなパーキングブレーキだが、これも重要な「安全の基本装備」の1つ。
とかく見た目にインパクトのある先進安全装備ばかりが脚光を浴びる近年だが、それはそれ以前の基本的な安全装備が正常に作動してこそ、その上に成り立つものだ。
他社から供給を受ける場合、そのアッセンブリーの採用検討および品質チェックの体制は、もっと厳しく万全を期してもらいたい。(-_-)
そう言えば、フィットが発売直後からリコールを連発したのも、共同開発とは言いながらも基本はシェフラーから供給を受けたDCTがベースであり、発売前の検証が十分でないままに発売されたという印象が強かった。
N-WGNは前評判も高かったし、出せば売れるのが分かっていただけに早く発売したかったのは分かるのだが、もうちょっと過去の失敗もふまえて、少なくとも安全に関わる部分に関してはしっかりとやって頂きたいものだ。
ってゆーか、今や「軽のホンダ」なのに、軽でコケたらどこで取り返すんだよ。(^o^;
こんなヘマやらかしたおかげで、日本向けの新型フィット用の電動パーキングブレーキまで、ドラムタイプからディスクタイプに変更することになってしもたし。(-_-)
軽なんて薄利多売なんだから、ちゃんとやらないと。
売れる台数が多いだけに、こういうムダなリコールはコストアップの要因になって、命取りになるよ。(^_^;
コメント
車ブロガーのワンダー速報さんはすでにN-WGN契約済みだそうですが、にっちもさっちもいかないようで嘆いていますね。
気になるのは、このブレーキシステムってホンダ以外では採用実績がないんでしょうかね?ホンダのために開発したシステムだとすると、ホンダがどういう要件を出してどういうテストを行ってOKを出したのかが気になります。さすがにサプライヤーに丸投げではないと思いますが・・・。
辛口系おやじ(管理人)です。
ワンダー速報さん、N-WGNまで買われたとは手広いなぁ。(^o^;
ところで、N-WGNが採用したCBIのパーキングブレーキ、納入されたアッセンブリーのチェックをホンダ側がちゃんとやっていれば、普通に見つかりそうな不具合のように思うんですが、あれを気付かず量産車に載せて出荷までしてしまったあたり、丸投げなうえにノーチェックなんじゃないかと思ってしまいます。(^_^;
去年か今年だかにHONDAの若い研究職が「HONDAは技術研究なんかやってなくサプライヤーに丸投げしてる」って内情をぶっちゃけた記事かツイートだかが話題になってたな
辛口系おやじ(管理人)です。
それはなかなか勇気あるツイートですねぇ。(^o^;
まぁ多少大袈裟に言ってるのでしょうけど、でも広くとらえれば、どこの企業でも
「ここは外注に丸投げして、ウチはここに力を集中しよう」
みたいなことは普通にやってますからね、それ自体は別に悪くないと思うんです。
ただ、丸投げして納入されたモノのチェックはちゃんとしないといけない。
今回のリコールに関しては、そこが甘かったんじゃないかと思います。
まぁホンダにしてみれば、
「なんで元ボッシュのブレーキ部門が
今さらこんな低レベルな不具合を出すんだ!
昨日今日ブレーキ作り始めた会社じゃねーだろうが!
頼むでしかし!」
ってなところで、まさかの事態なんでしょうけどね。(^o^;
外注先の選択→元ボッシュとはいえ、2度の売却により優秀な人材は逃げた後の会社を選択=思考停止
納品物のチェック→見逃してしまい発売延期……
ホンダの四輪部門、大丈夫かな~
こう言う電装関連の品質管理って結構難しいんですよね、
完成品検査ではOKだったのに、その後の振動や環境でNGになったりしますし。