私の次期愛車選びで8月にディーラー巡りをしていた際、マツダのディーラーで改良の話はすでに聞いていたのだが、ついに公式にCX-5の改良が発表された。
私が個人的に注目している改良点としては、下記の2点。
- 2.5リッターガソリンターボ「SKYACTIV-G 2.5T」の採用
- G-ベクタリング コントロール プラス「GVC Plus」の採用
というわけで、今回の記事ではこの2点について取り上げる。
もちろん、今回の改良では他にも多数の改良点があるのだが、私にとっては上記2点以外の改良点はオマケみたいなものなので、この記事では特に触れないでおく。
すべのて改良点については、公式のニュースリリースをご覧頂きたい。
(参考)
●「マツダCX-5」を商品改良
-「SKYACTIV-G 2.5T」を国内初導入し、上質な内装の特別仕様車を設定-
http://www2.mazda.com/ja/publicity/release/2018/201810/181011a.html
目次
待望の2.5リッターガソリンターボ、日本初導入!
海外ではとっくの昔に導入済みだった2.5リッターガソリンターボエンジン「SKYACTIV-G 2.5T」。
ここへきて、ようやく日本に初導入されることとなった。
このエンジンに私が期待するのは、言うまでもなくその動力性能だ。
スペックを見ると、
最高出力:230PS/4250rpm
最大トルク:42.8kgf・m/2000rpm
となっている。
(参考)
●マツダ CX-5 スペック表
http://www.mazda.co.jp/globalassets/assets/cars/pdf/cx-5/cx-5_specification_201810.pdf
時代遅れ?見た目に弱いスペック
直感的には、2.5リッターのターボであればもう少しパワーが欲しい気もするが、まぁパワーもトルクも十分に力強いと言える数値だと思う。
しかし、、、
最近のターボは、低回転域から幅広い回転数で最大トルクを引き出す、いわゆるフラットトルクの特性を持ったターボが主流だ。
最近発売されたクルマを例に挙げれば、
・カローラ スポーツ(1.2リッターターボ)
18.9kgf・m/1500-4000rpm
・クラウン(2.0リッターターボ)
35.7kgf・m/1650-4400rpm
・エクリプス クロス(1.5リッターターボ)
24.5kgf・m/2000-3500rpm
・シビック ハッチバック(1.5リッターターボ)
22.4kgf・m/1700-5500rpm
とまぁ、こんな感じで、いずれもフラットトルクのターボだ。
それに対して、今回導入されたマツダの2.5リッターターボは、ピンポイント(2000回転)で最大トルクを発生させる特性となっている。
この特性には、正直ちょっと、時代遅れ感を感じずにいられないのは私だけだろうか。(-_-)
そもそも、マツダは以前、ガソリンターボに否定的な意見を持っていた。
それでも2.5リッターのガソリンターボを海外で導入したのは、CX-9などの大きなボディを駆動するには、自然吸気では厳しかったからだ。
当初、ターボに対する否定的な立場をとっていたことにより、ターボの開発で後手を踏んでしまい、結果的には技術的に他社より出遅れてしまった、ということはないのだろうか?
そうでないのであれば、ぜひともトルク特性はフラットトルクにしてほしかった。
方針転換したのかどうだか知らないが、今後は日本国内でもガソリンターボを展開して勝負しようと思うのであれば、このトルク特性では見た目に弱い。(-_-)
最重要なのは体感性能
待望のガソリンターボ日本初導入だというのに、いきなり文句から始まってしまって申し訳なかったのだが、スペック的な話はともかくとして、やはり最も重要なのは実際に走らせてみてどう感じるか、つまり「体感性能」だ。
体感性能というのは、エンジン単体のスペックを見ただけではなかなか分からない。
数値的なパワーやトルクが十分だとしても、レスポンスが悪いかもしれない。
ATのシフト制御との協調が悪く、ギクシャクするかもしれない。
結局、いろんな部分の特性との絡みにより、複合的な特性が体感性能に大きく影響するのだ。
なので、これは実際に試乗して確かめるしかない。
CX-5に関しては、私のクルマ買い替えのサイクルとCX-5のモデルチェンジサイクルを考えると、次期愛車候補からは外れると思うのだが、これに関しては例外的に試乗させてもらおうと考えている。
今後、他の車種への展開も考えられるため、他車種を検討する際のグレード選びの材料として知っておきたいからだ。
G-ベクタリング コントロールの進化
ドライバーのハンドル操作に応じて駆動トルクを変化させることで、よりスムーズな旋回を可能にしたG-ベクタリング コントロール(以下、GVCと称す)。
今回、そのGVCをさらに進化させた「GVC Plus」が、CX-5の改良で初登場。
「GVC Plus」では、ブレーキによる車両姿勢安定化制御が追加されたとのことで、これにより、旋回中のドライバーのハンドル戻し操作に応じて外輪をわずかに制動し、車両を直進状態へ戻すための復元モーメントを与えることで安定性を向上するという。
(参考)
●マツダ、車両運動制御技術「G-ベクタリング コントロール プラス(GVC Plus)」を開発
http://www2.mazda.com/ja/publicity/release/2018/201810/181011c.html
画期的な「分かりにくい」技術、GVC
GVCが初めてマツダ車に搭載された時、これまでとどんな違いがあるのか、期待して試乗した記憶がある。
しかし、その違いは全く分からなかった。(^o^;
せめてGVCをON/OFFするスイッチがあれば、違いを体感できたかもしれないが、OFFにする理由がない装備ということで、市販車はGVCが常にONの状態なだけに分かりにくいのだ。
(ディーラーの営業マンいわく、テスト車にはON/OFFするスイッチがあったらしい)
今回の「GVC Plus」はどうか。
私の予想としては、たぶん今回も違いが分からないだろうと思う。(^o^;
まぁでも、今度はハンドルの戻し操作での制御がプラスされているので、これまでのGVCよりはその有無の違いを感じ取るチャンスが増えるわけで、そこはぜひ期待したいところだ。(^_^)
ってゆーかね、GVCが付く前のマツダ車が明らかにコーナリングに弱い特性だったのなら、ON/OFFスイッチが無くてもGVCの効果を体感しやすかっただろうと思うのだが、元々が良いからね、マツダ車は。(^_^;
アルファロメオ ジュリアを超えるか?
私がこれまでに試乗したクルマの中で、最も鮮やかに、スルリとコーナリングをこなしたクルマは、アルファロメオ ジュリアである。
「GVC Plus」を搭載したCX-5は、ジュリアに匹敵する、あるいはそれ以上のコーナリング挙動を見せてくれるのかどうか。
まぁCX-5は車高が高いので、ジュリアのようなコーナリングとはいかないだろうけど、「GVC Plus」による効果が確かに感じられるようであれば、今後アクセラやアテンザへと展開されたとき、かなり期待が持てるだろうと思う。
CX-5への試乗では、2.5リッターガソリンターボの体感性能のチェックだけでなく、この「GVC Plus」の効果についても、神経を研ぎ澄ませてチェックしてみたい。(^_^)
【追記】2020.8.15
その後、改良版CX-5に試乗しました! (^_^)
下記リンクの記事が試乗インプレッションです。
興味のある方はどうぞご覧下さい。
コメント
個人的には、CX-5を選ぶならNA2.5Lエンジンで十分だと思います。
辛口オヤジさんがおっしゃる通り、何の不満もないですしね!
それに、CX-5で2.5Lターボを選ぶと、
割高な特別仕様車しか選べないので…
コスパ的にも微妙なんですよね〜(苦笑)
2.5Lターボは、ディーゼルしか選べなかった
CX-8にこそ相応しいエンジンだと思います。
あの車重では、NA2.5Lだけではキツイですから…
辛口オヤジさん的には興味無いので再試乗
されないとは思いますけど…
今回の2.5Lターボ+GVC Plus+サスペンションのセッティング変更等で、CX-8の方は
不満点がかなり改善されていると思いますよ!
CX-5 2.5Lターボの試乗インプレ、楽しに
待っています。良ければ動画もアップして
いただけると嬉しいです。
辛口系おやじ(管理人)です。
超遅くなりましたが、いまさら返信します。
先週は体調崩したり忙しかったりで、なかなか時間が取れなかったモンで。(^^;
CX-5の2.5ターボは、一応、特別仕様車以外の通常モデルもありますよ。
ただ、通常モデルと言ってもLパケなんで、装備や質感をそこまで求めてない人にとっては、やはり割高なんでしょうけどね。(^^;
CX-8は、よほどの変化がない限り、私はもう試乗することはないですね。
CX-5のほうが、私が求める部分にムダなくコストがかかっている感じがするので。
CX-5の試乗は、山道まで持っていって動画も撮りたいと考えてます。
まぁ私の予定も含め、いろいろな条件が揃わないといけないので、そこまで出来るかはまだわからないんですがね。(^^;
コメント失礼します。
いつも楽しく拝見しています。
インプレッサ御納車おめでとうございます。
ようやく、国内にもマツダのガソリンターボが導入されたということで、
ディーゼルの音と振動が許せないが実用十分以上のパワーが欲しい私には、とても嬉しい出来事です。
レギュラーガソリン対応というのも嬉しいです。
スペックの件ですが、
最大トルクの大きさで考えても、海外他社だと2L過給で35.7kgf・mを出してるエンジンが多いなか、2.5L過給で42.8kgf・mですから(しかもピンポイント)1Lあたりの最大トルクは見劣りしますね。(あちらはハイオクですが。。。)
マツダ技法でこのエンジンの説明を見ていると、
1250rpmで35.7kgf・m(記載あり)
1500rpmで約40.8kgf・m(グラフ読み)
2000rpmで42.8kgf・m(記載あり)
3000rpmで約40.8kgf・m(グラフ読み)
4250rpmで39.0kgf・m(最高出力から計算)
となりますので、やろうと思えば40.8kgf・m/1500-3000rpmとかに出来そうですね。
またレスポンスは、他社のダウンサイジング過給とマツダが以前持っていたv6の3.7LNAとの比較では、僅かに3.7LNAに遅れる程度で、他社のダウンサイジング過給と大差でレスポンスがいいと示した表が記されてました。
他社よりレスポンスを重視した小さいターボを限界まで使った結果フラットトルクにしなかったのか(出来なかった?)と、愚考しております。
技法に示しているとはいえ、どこのダウンサイジングエンジンと比較したかもわからないので、あまりアテにならないかも知れないですが、個人的にはアクセルレスポンスには期待しております。
私は、直6FRと噂されてる次期SKYACTIV-Xの直6アテンザを購入したいと目論んでいたのですが
来年の年次改良でアテンザにこのエンジンを載せられると非常に揺らぎます。。。
長文失礼いたしました。
cx-5の2.5Tや、次期アクセラのSKYACTIV-Xの試乗記等、俺様様のブログ今後とも非常に楽しみにしております。
辛口系おやじ(管理人)です。
きっと、やろうと思えばフラットトルクの特性にも出来るんだろうとは思いますが、コメントにご記載頂いたトルクの読み取り値を見ると、十分にトルク出てますね。
情報ありがとうございます。
まぁそこまでトルク出てるなら、わざわざフラットにしてピーク値を落とすのは得策じゃないと考えたのかもしれませんね。
おっしゃる通り、今後マツダはSKYACTIV-Xが登場するなど、楽しみな時代に突入するので、私も試乗を楽しみにしている次第です。(^_^)