2023年4月21日に正式発売予定の、
「ZR-V」に試乗してきた。
今回試乗したのは、
ガソリン車の上位グレード、
「Z」のFFモデル。
ハイブリッドの上位グレード「e:HEV Z」にも後ほど試乗するが、今回はまずガソリン車の評価に集中するために、あえて同日に試乗することは避けた。
以前、シビックのガソリン車とハイブリッド車に乗った感じからすると、ZR-Vでもハイブリッドのほうが良い可能性が高い気がするのだが、そこは乗ってみないと何とも言えないところ。
ガソリン車のほうが出来栄えが良い可能性もあるし、たとえ出来栄えでハイブリッドより劣るとしても、その劣る箇所と劣り具合によっては、価格差を考慮したらガソリン車のほうがお買い得という場合もあり得るからね。(^_^)
シビックのガソリン車はかなりスポーティー方向に思い切って振ったクルマだったが、ZR-Vはシビックベースとはいえ、履いてるタイヤのキャラが全然違うし、扁平率も全然違うので、走りの感触も全然違うはず。
さて、その走りは、
どんなキャラクターに仕上がっているのか?
そして、
ZR-Vが作り上げた走りの世界観は、
私の好みにハマるのか?
以下に率直なインプレッションを述べさせて頂く。
目次
試乗車の概要
年式 | 2022年式 |
走行距離 | 290km |
車名 | ZR-V |
グレード | Z |
駆動方式 | FF |
トランスミッション | CVT |
装着タイヤ | ヨコハマタイヤ ADVAN dB V552(225/55R18) |
型式 | 5BA-RZ3 |
排気量 | 1.5リッター(ターボ) |
最高出力 | 178ps/6000rpm |
最大トルク | 24.5kgf・m/1700-4500rpm |
全長 | 4570mm |
全幅 | 1840mm |
全高 | 1620mm |
車両重量 | 1490kg |
車両本体価格 | 354万8600円(税込) |
試乗日 | 2023年4月3日 |
|
試乗インプレッション
1.走りの性能・・・★★★☆☆
シビックベースということで、「シビックのSUV版」みたいな感じなのかと思っていたが、共通する印象の部分はもちろんあるものの、思ったよりも全然違う感じだ。(^o^;
シビックのほうが、アクセルワークに対してクルマの動きにダイレクト感があったね。
トランスミッションの特性がシビックとは違う感じがしたので、それが随所でフィーリングに影響、それも、どちらかと言うと少し良くない方向に影響した感じ。
ガソリン車なのに、今さらブレーキフィールが3つ★評価となってしまったのも地味に痛いところで、走りの全6項目のうち4項目が3つ★となってしまった。
1つ1つのネガは大したネガじゃないんだけど、4項目で3つ★となると、走りの性能全体としては3つ★評価とせざるを得ないね。(^_^;
(1)発進挙動・・・★★★☆☆
まずは発進。
おっとその前に、クソ装備のアイドリングストップをOFFにしておこう 。(^_^)
あれ?
アイドリングストップを
OFFするスイッチが無い! (*o*)
営業マンさんにもスイッチを探してもらったけど、どこにも無いのだ!
シビックはシフト周りにアイドリングストップのOFFスイッチがあったのだが、ZR-Vには無い!
ついにあのクソ装備の無意味さに気付いて、アイドリングストップを廃止したのかな?
とりあえずそのまま走り出したが、試乗が終わるまでの間、一度もアイドリングストップしなかったので、どうやらホントに無くなったようだ。(^_^)
それはさておき、
発進挙動の評価に話を戻そう。(^^;
ブレーキをほどいてクリープでゆっくり動き出す時の動きと感触は、特に感動はないものの悪くない感触で問題なし。
しかし、
アクセルを踏んで加速を開始すると、同じエンジンを積むシビックのガソリン車と比べて、出足からややエンジンの回転数が高めな感じ。
これは、シビックよりも車重が120kg重いということと、SUVということで、トランスミッションの減速比が大きく設定されており、ローギヤード気味なセッティングになっていることが影響してるのかも。
特に問題視するほど極端ではないのだが、上品で上質な発進挙動を求めると、少々気になる部分ではある。
タイヤが転がる感触には、願わくばもう少し重厚感があったほうが良かったが、SUVらしさというか、ゴツい感触があって、まぁまぁいいんじゃないかな。
(2)加速フィール・・・★★★☆☆
発進してから中速域までの加速はリニアで自然なフィーリング。
なのだが、
発進での加速時にも感じたように、ややローギヤード気味なセッティングのためか、同じように加速させていてもエンジンの回転数がシビックに比べるとやや高めの回転数で回る感じがある。
そのせいか、何となくシビックに比べるとダイレクト感が薄い感じがするため、軽快感とか気持ち良さという点では少し劣るように思う。(-_-)
【試乗記】 ホンダ シビック EX (2021/10/25)
まぁでも、悪くはないよ、
言うなれば「普通」。(^o^)
中速域からの加速でもレスポンス良く加速してくれるので、ストレスも感じないし。
この「フツー感」もまた、
シビックのガソリン車譲り、
といったところだろうか。(^_^;
スポーツモードも試してみたが、こちらもシビックと同様の印象で、高めのエンジン回転数をキープして走るので、さらに加速レスポンスが良くなる。
もちろん、スポーツモードにしたからと言ってパワーアップするわけではないのだが、キビキビ感が増すので、それなりに軽快感のある走りが可能となる。
急坂での加速でも、高めの回転数キープからの加速開始となるため加速のつきが良く、体感的にストレスの少ない加速フィールを味わえる。(^_^)
(3)パワーフィール・・・★★★☆☆
いつもの急坂でアクセルを踏み込んでみた。
まぁおよそ予想通りというか、パンチはないものの、レスポンス良く加速を開始してくれて、4千回転ぐらいまで回すとしっかり力強く加速してくれるので、必要十分以上のパワーフィールと言っていいと思う。
このパワーフィールもまた、シビックのガソリン車と同等レベル。
シビックと同じエンジンながら、パワースペックはZR-Vのほうが4PS低いのだが、少なくとも街乗りでの体感的な差は無さそうだ。
【試乗記】 ホンダ シビック EX (2021/10/25)
(4)ハンドリング・・・★★★★☆
クイックでもなくダルくもない、
街乗りで扱いやすい平均的な特性。
ビミョーなハンドル操作にもちゃんと反応してくれるし、イメージ通りに反応してくれる。
ただ、
スポーティーという感じではなく、そこはシビックとは明確に異なるところだ。
例えば、
S字カーブに速めの速度で突っ込んだ時の挙動。
最初のハンドル操作でイメージ通りに反応はしてくれるのだが、やはり車高があってタイヤも厚みがある分、シビックのような動きのキレの良さはない。
スパッ!と曲がるのではなく、しっかりグリップしてググっ!と踏ん張りながら曲がる感じ。
【試乗記】 ホンダ シビック EX (2021/10/25)
ただ、
ロールはそれなりにはするし、アイポイントも高いので、これでワインディングを攻めようという気にはならないのだが、ロールからの復帰も遅くはないので、攻めてもそれなりにこなせると思う。
S字の切り返しも、まぁタイヤがコンフォートタイヤということもあってか多少アンダーステア気味にはなるが、それほど問題ないレベルだし、踏ん張りながらボディーはついてきてくれるので、余裕とは言わないまでも、問題なく曲がれる。
そんなわけで、
先日試乗したクロストレックみたいに驚くようなレベルではないが、まぁSUVとしては優秀なほうと言っていいハンドリングだと思う。
【試乗記】 スバル クロストレック Limited (2023/03/13)
(5)ステアフィール・・・★★★★☆
重くも軽くもない操舵感、まさにフツー。(^^)
特に「くどさ」を感じさせないスッキリしたステアフィールで、路面からのインフォメーションも街乗りSUVとして適度なレベルで伝わってくる。
ステアリングの手触りも極上とはまでは言わないが、滑らかで良い感触だし、ムダな振動も伝わってこないので、洗練された上質なステアフィールだと思う。
じゃあ5つ★でもいいのでは?
と言われるかもしれないが、5つ★を付けるには物足りなさもある。
何てか言うか、特に何か突出した感触があるわけじゃなくて、感動するような感じじゃないんだよな。(^_^;
だから乗ってる最中にステアフィールの良さを特に意識することはなくて、試乗を終えてからあらためて振り返ってみると、
「そういやネガは無いし、
洗練された感じだったな」
と思う、そんな感じなのだ。
ほら、ちょっと高級なクルマって、フツーに走らせてるだけでもステアリングに伝わる感触に重厚な感触があったり(だからと言って操舵感が重いわけではない)、何とも言えない滑らかな感触とかがあったりするジャン。
ZR-Vにはそういうのは無いんだよね。
逆にスポーティーなクルマって、ステアリングに濃いインフォメーションとかコーナリングでのグリップ感がビシビシ伝わってきたり、そんなフィールがあったりするジャン。
ZR-Vはそういう感じでもないんだよね。
なので、
洗練はされてるんだけど、キャラクターは感じにくいステアフィールなのかな、と。
目立たない無口な優等生、みたいな。(^o^;
なので、
5つ★にするには少し物足りないんだけど、
4つ★は余裕で与えていいレベル、
といったところだ。(^_^)
(6)ブレーキフィール・・・★★★☆☆
うーん、、、悪くはない、悪くはないけど、ブレーキペダルの踏み始めの部分でやや制動力の立ち上がりが急峻気味かなぁという気がする。
これ、踏み始めの踏み応えが柔らかくて、ペダルがスッと軽く動くのだが、遊びの領域と効き始める領域の境目が分かりづらいんだな。(^^;
そのため、遊びの領域を過ぎた所でペダルの踏み込みスピードが速いまま突入してしまうので、制動力が急に立ち上がってしまうのだろう。
まぁそういう特性だと認識して、慣れてしまえばどうってことないレベルの話なんだけどね。(^^;
それともう一点。
ブレーキペダルの踏み始めで制動力の立ち上がりが急峻気味な割には、そこからさらに踏み込んでいった時の制動力が意外と弱いのだ。(^^;
なので、
ブレーキペダルを踏み込んだ際、イメージしていたようなペースで減速してくれないので、ブレーキを踏み増しする感じになった。
まぁそれも慣れてしまえば対応できる範疇ではあるので大きな問題ではないし、ブレーキの効き具合そのものは踏力に対してリニアに効くので、まぁ3つ★は与えてもいいだろう。
だが、
出来れば今後の改良で、踏み始めの部分の立ち上がりも含めた、全体のリニア感を改善してもらいたいところだ。(-_-)
2.乗り心地・・・★★★☆☆
スポーティーだけど、乗り心地は良い。
街乗りSUVとして、
バランスの良いところを突いた乗り心地、
のつもりなのかもしれない。
ただ、
どちらにしても、ちょっと中途半端かな。(^^;
もうちょっと基本の走行フィールにしっとりとした感触があれば、軸足をコンフォートに置いた乗り心地になったと思うんだけどね。(^^;
(1)スポーツ性・・・★★★☆☆
走り出した瞬間に、やや硬質な感触を感じるので、シビックのガソリン車と同様にスポーティーなキャラクターなのかな、と思いきや、そこまでスポーティーに振った感じではない。
しっかりした感触で、荒れた路面を通過する際には足回りが路面の凹凸に追従して接地感をキープするものの、シビックのガソリン車ほど上下にガツガツ揺すられるわけではなく、突き上げ感はシビックのガソリン車よりマイルドに抑えられている。
【試乗記】 ホンダ シビック EX (2021/10/25)
スポーティーに徹しているわけではない足回りと、SUVゆえの車高の高さは、コーナリングの際にはそれなりのロールとアンダーステアを許すことになるので、ワインディングなどでキビキビとスポーティーに走らせて楽しむような乗り味ではないね。(^^;
なので、
走行フィールは基本スポーティーなのだが、あくまでもスポーティーな「感触」を味わえる乗り心地であって、実際にスポーティーな走行を楽しむためのクルマではない、という感じ。
(2)コンフォート性・・・★★★☆☆
基本、硬質でしっかりとした足回りから受ける感触がスポーティーな印象なので、荒れてない普通の道を走らせている限りはコンフォートという感じはしない。
ただ、
荒れた路面を通過すると、意外とマイルドに衝撃を丸めてくれるので、走り始めての第一印象よりはコンフォートな乗り心地。
上下左右への揺れも、SUVとしては比較的小さく穏やかな揺れに抑えられている。
足回りがバタつく際に生じる振動も少なく、振動の収束も早いので、単に足回りがしっかりしてるだけでなくボディ剛性も高いのだろうと思う。
そんなわけで、
基本的に乗り心地は良いのだが、ベースの走行フィールに硬質感があってスポーティーな印象を受けるので、総合的に見てコンフォートというイメージの乗り心地ではない。
3.静粛性・・・★★★☆☆
エンジン音の侵入に関しては、ウルサイと思うほどではないものの、シビックのガソリン車と比べると大きめだ。
【試乗記】 ホンダ シビック EX (2021/10/25)
この静粛性もまた、トランスミッションの減速比がシビックのそれよりも大きめにセッティングされていることが影響してるのかな?
なんかね、同じくらいの速度で走ってても、全体的にシビックよりZR-Vのほうがエンジンの回転数が高めのような気がするので。(^^;
それゆえ、
エンジン音もやや目立ちやすいのかもしれない。
逆のほうが良かったのにね。
つまり、シビックに乗った時は、
「せっかくスポーティーなんだし、
エンジンの音もいいんだから、
もうちょっと聞かせてもいいのに。」
と思ったのだが、
今回のZR-Vでは、
「スポーティーな走行を楽しむたむの
クルマじゃないというか、
そういう特性のクルマではないし、
だったらもうちょっとエンジン音は
遮音したほうが良かったのに。」
と思ってしまった。(^o^;
でも逆に、
ロードノイズに関しては、シビックより静かというか、目立たないと思った。
ロードノイズだけでなく、足回りから侵入する雑音は、全体的によく抑えられていると思う。
このへんは装着タイヤの違いが効いてるのかも。
4.エンジン音の音質・・・★★★☆☆
あれ?
シビックと同じエンジンの割には、エンジン音の印象はだいぶ違うぞ。(^^;
シビックはもっといい音というか、
私好みの野太い感じの音だったのだが、
ZR-Vのエンジン音はもうちょっと軽めの音やね。
【試乗記】 ホンダ シビック EX (2021/10/25)
まぁチャチな音ではないし、がさつな感じはしないので、決して悪い音ではないのだが、「あえて聞きたい」と思うほどの音ではない。
だからこそ、
もうちょっと遮音してもよかったのに、
と言いたくなる。(^^;
5.居住性・・・★★★☆☆
空間的には十分な広さがあって、悪くはないんだけど、4つ★まではあと一歩およばなかった。
運転席にも後席にも、どうしてもちょっと気になったところがあったもので。(^^;
まぁでも、ほぼ4つ★に近いから、愛車候補の検討をするうえでは特に気にするほどのことではないけどね。
(1)運転席・・・★★★☆☆
いいね。(^_^)
パワーシート標準装備だし、ドライビングポジションは妥協なくきっちり希望通りの位置に合わせることができた。
ヴェゼルでは不足気味だったテレスコの調整領域も、ZR-Vでは逆に、日本車にしては珍しいぐらい十分な調整領域が確保されている。
【試乗記】 ホンダ ヴェゼル e:HEV Z (2021/05/13)
シートの座り心地も良い。
ホールド感がありつつも、窮屈ではない。(^_^)
ただ、、、
だいぶ暖かくなってきた今の時季だからこそ
気付けた欠点(?)だと思うのだが、
シートの放熱が悪い。(^^;
どういう事かと言うと、
運転中、背もたれの部分がやたらポカポカするので、
「あれっ?
ひょっとしてシートヒーターの
スイッチが入ってるのかな?」
と思い、
確認してみたがスイッチなんか入っていない。
つまり、
それぐらい熱がこもりやすいということ。(^^;
これ、
真夏になったら背中、
メッチャ汗かくんじゃね? (^^;
こんなに背もたれの放熱特性に違和感を感じたシートは、私史上、初めてだ。(^o^;
そこがどうしてもちょっと気になったので、ここは3つ★評価とさせて頂く。
3つ★の上位、って感じかな。
シビックのシートはスエードを使ったコンビシートだったが、ZR-Vのシートは本革シート。
正直、シビックと同じシートのほうが、快適性は高かったのになぁと思う。(-_-)
(2)後席・・・★★★☆☆
運転席を自分(身長180cm)のドライビングポジションに合わせた状態で、後席に乗り込んでみた。
すると、
ヒザ前には、拳を縦に2つ分
頭上には、拳を横に1個半
ぐらいの余裕があった。
まぁ私的には十分な広さだ。(^_^)
私がこだわるヘッドレストは、
デフォルトの位置だと肩甲骨に当たる。(^_^;
なので、
座ろうと思ったらヘッドレストを引っ張り上げないと座れないので、ここまでデフォルトの位置が低いと逆に安全かもね。(^o^)
で、
引っ張り上げたらどれくらいの高さになるかと言うと、これが驚くほど高くて、十分すぎるくらい十分な高さ! (^o^)
それに、ヘッドレストの面積も広いので、しっかり支えられている感じがしていい感じ。(^_^)
引っ張り上げても高さが足りなかったヴェゼルとはえらい違いやね! (^^)
【試乗記】 ホンダ ヴェゼル e:HEV Z (2021/05/13)
ただ、
ちょっと気になったのは、
シートの座り心地、というか、くつろぎ感。
つま先を前席の下に入るぐらいまで伸ばしても、太ももの裏が座面に着かない。
それと、
シートの座面が硬めでケツが沈み込まないのはいいとしても、それでいてサイドのサポートもほとんどないので、ホールド感がほぼ無い。
そのせいか、
空間的に十分な広さがある割には、
イマイチ、くつろぎ感がないんだよね。(^_^;
営業マンさんとそのへんのことについて話してたら、
「座面の高さがちょっと低いみたいですね。
ネットでもけっこう書かれてるみたいです。(^^; 」
とのこと。
私としては、座面が低いのが問題というよりは、「座面の傾斜」がかなりフラットに近い感じがしたので、もう少し傾斜があったほうがいいのではないかと感じた。
そうすれば、太ももの裏のサポートも良くなると思うし、ホールド感も少しは良くなるんじゃないかな。
というわけで、
まぁ全体として悪くはないんだけど、ちょっと気になることもあったということで、ここは3つ★評価とさせて頂く。
3つ★としては上位だけど、4つ★まではあと一歩、といったところかな。(^^;
6.内装質感・・・★★★★☆
特に高級感があるわけじゃないけど、主要な部分の質感が良くて、あまり欠点がない。
ダッシュボードやドアの内張り上部はもちろんソフトパッドだし、ドアのヒジ置き部分やセンターコンソールにはプライムスムースと呼ばれる柔らかい合成皮革が張られている。
ステアフィールの項目でも少し触れたが、本革巻ステアリングの手触りも、高級感を感じるほどではないものの、滑らかで良い感触。
本革シートの質感も、これまた高級感を感じさせるほどではないのだが、まぁまぁの質感。
ただ、
シートに関しては、シビックに付いていたスエードのコンビシートのほうが、快適性だけでなく見た目の質感も良かったと思うだけに、ZR-Vの本革シートは個人的にはちょっと残念な部分ではある。(^^;
グローブボックスは、内側に起毛処理はされていないものの、フタにダンパーは付いてるし、開閉時の感触も、良いとまでは言わないけど悪くはない。
そして、
シビックと決定的に質感が違うのは、
後席ドアの内張りの質感。
内張り上部はソフトパッドだし、内張りやヒジ置き部分も前席と同様に合成皮革張りで柔らかく仕上げられている。(^_^)
というわけで、
シビックはオマケでかろうじて4つ★評価だったが、ZR-Vはオマケなしの完全な4つ★レベルだ。(^_^)
【試乗記】 ホンダ シビック EX (2021/10/25)
7.装備・・・★★★★☆
「Z」は上位グレードのため、装備は充実している。
LEDヘッドライトは、ハイビームの照射範囲をコントロールする「アダプティブドライビングビーム」が標準装備。
まぁこの程度の装備、イマドキのクルマの上位グレードであれば、もう付いてて当たり前と言っていい装備ではあるが。(^^;
ついでに、
無くてもどうってことないけど、ステアリング操作やウインカー操作によって作動する、LEDアクティブコーナリングライトも標準装備。
シートは当然パワーシート。
2名分のポジションメモリーも付いており、エンジンをかけると設定されたポジションに自動でシートを移動してくれて、降りる際には自動でシートが後退してくれる装備、「ドライビングポジションシステム」も付いている。
ドライビングポジションシステムは、シビックには付いてなかったはずなので、後席の内装質感といい、シビックよりも高級車チックなイメージを強める部分にコストがかかってる感じがするね。(^_^)
本革シートになっているのもその1つだと思うが、これは先述した通り、余計なお世話と言うか、シビックのシートのほうが良かったと思う。(^^;
前席シートヒーターも標準装備。
そして、
シビックには付いてなかったステアリングヒーターも標準装備だ。(^_^)
そして、
これもシビックには付いてなかった装備、
「マルチビューカメラシステム」
も標準装備。
要するに上から見下ろしたような映像も見れたりする、もう今となってはよくある装備やね。
まぁ無くてもどうってことない装備だけど、無いよりはあったほうがいいよね。(^_^)
ナビや地デジチューナーも標準装備。
オーディオはシビックと同様、12スピーカーのBOSEプレミアムサウンドシステムが標準装備だ。
AMラジオだって聞けるんだぜ! (^ー^)
えっ?
AMラジオなんか聞けて当たり前?
いやいや、とんでもない!
現在の我が愛車ボルボS60は、
なんとFMしか聞けませんから。(^_^;
つーかこれ、
最近になって気付いたんだけどね。(^o^;
私はAMラジオの、あのこもったような音が超絶大嫌いなので、AMラジオなんかどうでもいいのだが、聞けないと嫌だという人もいるだろう。
その点、
ZR-VはAMラジオ、聞けますのでご心配なく。(^^)
そして、
私が重要視している割にはオプションにされがちな安全装備、「ブラインドスポットインフォメーション」は、もちろん標準装備。(^_^)
ドライバーは基本「前」を見て運転しているので、側後方に対する警戒をサポートしてくれるこの装備は、私的には誤作動する自動ブレーキ(衝突軽減ブレーキ)よりも重要な安全装備だと思っている。
ぜひどのメーカーも、どの車種どのグレードでも標準装備にしてもらいたいものだ。
あとは、
・自動防眩ルームミラー
・雨滴検知式ワイパー
・リバース連動ドアミラー
・ヒーテッドドアミラー
なども標準装備。
リバース連動ドアミラーはシビックには付いてなかったはずなので、無くてもどうってことはないんだけど、あったほうがうれしい装備だよね。(^_^)
8.オーディオ音質・・・★★★★☆
オーディオはシビックと同じ印象の音質。
低音が強めで高音のインパクトはイマイチ。
ただ、
音作りの方向性が私の好みと異なるだけであって、音質そのものは良いし、一応BOSEだし、悪いオーディオではなさそうなので、オーディオ設定をイジってやればある程度は好みの音に近づけられるだろうと思う。
【試乗記】 ホンダ シビック EX (2021/10/25)
9.デザイン・・・★★★☆☆
デザインで選びたくなるクルマではない。
エクステリアもインテリアも、インパクトが弱い。
でも、どうしても気に入らないほどヒドい部分もなく、無難にまとめられてる感じ。
(1)エクステリア・・・★★★☆☆
かっこいいとは思わないけど、でも、見た目で却下するほど悪くはない、といったところ。
フロントグリルに関しては、まだ日本仕様が明らかになっていなかった時期に公開されていたデザインより良くなった。
当初はハニカムグリルの画像がネット上に出回っていて、「このグリルデザインのまま発売されたら嫌だなぁ」と思っていたのだが、縦に仕切られたバーチカルグリルが採用されてホッとした。
もしフロントグリルがハニカムグリルのままだったら、2つ★にしてたところだ。(^o^;
まぁでも、
フロントグリルの問題はクリアしたものの、やはり全体のフォルムのインパクトが弱い。
特別ヒドいと思う所はないけど、良いと思うところも特にない。
いわゆる、及第点レベルのデザイン、だ。
試乗の前に、デザインをじっくり観察したのだが、なんかやっぱりフロントグリル上部の両端が下がってることもあってか、グリルがボディサイズに対して小さく見えて、押し出し感が弱い。
力強さを感じるわけでもなく、エレガントさを感じるわけでもない、中途半端なグリル形状だと思う。(-_-)
あと、
全体的に「思い切り」が足りないというか、
「攻めてない」感じがするんだよね。(^^;
メリハリが弱いというか、直線で魅せるようなキャラクターラインが入ってるわけでもなく、曲線で魅せるほど抑揚があるわけでもなく。。。(-_-)
「無難にまとめた」って感じなのかな? (^^;
(2)インテリア・・・★★★☆☆
スッキリしたインパネは嫌いじゃないんだけど、せっかく質感は頑張ってるのだから、もうちょっとインパネにインパクトのあるデザインを施したほうが良かったかな。
やっぱインパネは最も乗員の目につきやすい部分だし、そこで質感をアピールしたほうが伝わりやすいと思うので。
シフトレバーは、e:HEVはボタン式だがガソリン車は一般的なシフトレバー。
まぁ悪くはないんだけど、
ありきたりなデザインのシフトレバーだ。(^^;
シフト周りも、特にインパクトはない。
ドアの内張りも無難なデザイン。
せっかく質感は良いのに、それが生きるような見せ方が出来ていないというか、見せようとすらしていないと感じる。
というわけで、
悪いデザインではないんだけど、これまたエクステリア同様「攻めてない」、無難な感じのデザインだと思う。
10.コストパフォーマンス・・・★★★☆☆
安くはないけど、相対的に妥当な価格だと思う。
特に内装の質感は意外と頑張ったなぁと思うし、装備も充実している。
走りなど本質的な部分では改善の余地があるとはいえ、大きな欠点も無いしね。(^_^)
11.総評・・・★★★☆☆
フツーにいいクルマだね。
パワーに不足は無いし、車内の広さも十分だし、乗り心地もいい。
内装の質感もいいので、こまかい事を気にしなければ、多くの人は「いいクルマ」と感じるんじゃないかと思う。
そう、
「こまかい事を気にしなければ」
ね。(^_^;
私としては、
随所で詰めが甘い
という印象が残った。
「走りの性能」の6項目で、4項目が3つ★評価というところも、その詰めの甘さが表れている部分と言えるだろう。
要するに、
悪くはないんだよ、悪くは。(^_^;
ただ、
気持ち良さとか感動を得るには物足りない。
走りのキャラクターも中途半端。
シビックほどスポーティーでもなく、かと言ってコンフォートでもない。
静粛性の面で、エンジン音の車内への侵入がシビックと比べると大きくなったうえに、そのエンジン音も聞きたくなるような音質ではない(悪い音ではないのだが)というところも、印象として良くない。(-_-)
なので、
デザインが気に入ってる人であればアリなんだろうけど、運転を楽しむためのクルマとしては物足りない。
どこかもうちょっと、
キラリと光る明確な魅力を盛り込んでもらうか、
詰めの甘い部分を改善して完成度を高めない限り、
私の次期愛車となるには力不足だ。
後ほど試乗する、
「e:HEV Z」に期待するとしよう。(^_^)
【追記】
その後、ZR-V e:HEV Zに試乗しました!
下記リンクの記事が試乗インプレッションです。
興味のある方はどうぞご覧下さい。
コメント
かなり評価が高いですね。
ネガ部分も、人によっては気にならなかったり、かえって気に入ったりするかもしれない。
高いと思ったけど、装備、スペックを考えると妥当な感じ。
私は物凄く汗っかきなので、本革は苦手でスエード系、ファブリック系が好き。
現愛車のアルカンターラのシートは大きさも形状も質感も私にドンピシャ。
パワーシートじゃなくてショボいけど、私しか運転しないのでOK。
9年以上乗り続けてきてるのはシート、ステアリングが気に入ってることも大きな理由です。
いろんな会社のいろんな車を試乗しましたが、シートとステアリングはどれも愛車に及びません。
ハイブリッドはさらに期待できそうなので、そちらの試乗記も楽しみにしています。
辛口系おやじ(管理人)です。
> かなり評価が高いですね。
個人的には物足りない部分もありつつも、一般的には良いクルマと言っていいんじゃないですかね。(^_^)
> ネガ部分も、
> 人によっては気にならなかったり、
> かえって気に入ったりするかもしれない。
そうですね。
私が指摘した部分は、一般的にはあまり気にならない人のほうが多いかもしれません。
> 9年以上乗り続けてきてるのはシート、
> ステアリングが気に入ってることも大きな理由です。
運転する際に必ず触れる部分だけに、そこが気に入るかどうかは長く乗るうえでは重要なんでしょうね。(^_^)
> ハイブリッドはさらに期待できそうなので、
> そちらの試乗記も楽しみにしています。
はい。
試乗記のアップまで、もうしばらくお待ち下さい。(^_^)
なんか外見、カタログスペック、価格、インプレッションどれも旧型のアウディQ3に似てますね
地味に結構売れそう
辛口系おやじ(管理人)です。
> なんか外見、カタログスペック、価格、
> インプレッションどれも
> 旧型のアウディQ3に似てますね
そうなんですか?
少なくとも外見が似てるという印象は私は感じなかったですが、まぁどこに注目するかによるんでしょうね。
> 地味に結構売れそう
そうですね。
一般の人が気になるような大きな欠点も無いし、コスパも他と比べて悪くはないですからね。