2024年10月17日、スバルはe-BOXERの次世代ハイブリッドシステム、「ストロングハイブリッド」を発表した。
12月にはこのハイブリッドシステム初採用となる「クロストレック」の発表を予定しているとのことで、10月17日から先行予約受付を開始しているらしい。
●SUBARU ストロングハイブリッドを発表
https://www.subaru.co.jp/news/2024_10_17_132911/
当ブログをご覧のマニアックな皆さんならご存知かとは思うが、今回発表されたハイブリッドシステムは、トヨタのハイブリッドシステムをベースとしたものだ。
もちろん、
スバルのニュースリリースの文面にはトヨタの影など微塵もなく、
「走りの愉しさと環境性能を高い次元で両立させた、
SUBARUとして新たに開発した
次世代のハイブリッドシステムです。」
と、まるでスバルが一から開発したシステムであるかのように書かれているわけだが。(^o^)
というわけで、
今回発表された、スバルのストロングハイブリッドについて私はどう思うのか、以下でそのへんをチョイとお話させて頂くとしよう。(^_^)
1.実質、スバル初のハイブリッド
まず、今回のストロングハイブリッドは、スバル初のハイブリッドシステムと言っても過言ではないと、私は思っている。
えっ?
とっくの昔にハイブリッド車はラインナップされてるって?
あぁ、あの、
実態はほぼほぼマイルドハイブリッドで、しかもなぜか普通のガソリン車より加速の悪いクソハイブリッド、初代e-BOXERのことか?
あれはハッキリ言って、量産車に搭載するレベルのハイブリッドシステムじゃないよ、まさに実験車レベルの出来の悪さ。(^o^)
ゴミ同然だった初期モデルもその後は徐々に改良が進んで、近年は多少マシになってるけどね。
それでも純ガソリン車のほうが全然いいからね、ムダに高いだけのポンコツハイブリッドであることに変わりはないよ。(^^;
そんなわけで、
今回のストロングハイブリッドこそが、
実質的にはスバル初のハイブリッドである。
これが私の認識だ。
2.「スバルらしさ」はあるのか?
私は今回のストロングハイブリッドを「実質、スバル初のハイブリッド」と申し上げたが、これは、私としてはかなりリップサービスをしたつもりの表現だ。
なぜなら、
ハイブリッドシステムのベースは、冒頭でも申し上げた通り、トヨタのハイブリッドシステム(THS)だから。
つまり、
スバルが一から開発したわけではないのだ。
なので厳密に言えば、現時点では、スバルにはまともなハイブリッドシステムを一から開発する技術はない、ということ。
あればトヨタのシステムなんて使わず、自前で開発したほうがいいに決まってんだから、それをしないということは、ハイブリッドに関するそれだけの技術を持っていないということだ。
だが、
私にとって、そんなことはどうでもいい事だ。
機械式腕時計で例えてみよう。
機械式腕時計マニアの中には、自社でムーブメントから一貫生産している「マニュファクチュール」にこだわる人も多いが、私はそこにはこだわらない。
たとえ他社から供給を受けたムーブメントを使っていても、それを上手く料理して、出来上がった時計の精度が良く、そのメーカーならではの魅力が表現されているならばそれで良い。
つまり、
トヨタのハイブリッドシステムを使っていても、それを上手く料理して、走りの良い、スバルならではの魅力が表現されたクルマに仕上がっているならばそれで良い、というのが私の考えだ。(^_^)
果たして、
トヨタのハイブリッドシステムを使いつつ、そこに「スバルらしさ」を盛り込めているのかどうか。
そこはぜひ期待したいところだ。
えっ?
「同じシステムなら、
同じような感じになるんじゃないの?」
ってか?
それはどうか分からないよ。
だって、
トヨタのハイブリッドシステム(THS)って、同じトヨタのクルマでさえ、搭載される車種によって印象が変わるモン。(^^)
ましてや今回は、スバルのエンジンとのコンビネーションになるわけだからね。
トヨタのハイブリッド車とは、明確に印象の異なる走りのクルマになってもおかしくはないだろう。(^_^)
とにかく、
これまでスバル車のハイブリッドには、初代e-BOXERというポンコツハイブリッドしか存在しなかったため、
「ハイブリッド車におけるスバルらしさ」
という観点での確立したイメージが無い。
だからこそ、
今回のストロングハイブリッドによって、
どのような走りを実現しているのか?
それがこれからのスバルの、
「ハイブリッド車におけるスバルらしさ」
のイメージを形成していくかもしれないだけに、
そこは大注目ポイントなのである。(^_^)
3.意外な排気量
今回のストロングハイブリッド発表と共に、このハイブリッドシステムを採用したクロストレックの発売が12月に予定されていること、そして、スペックの一部情報も明かされているが、その情報を見て意外に思ったことがある。
組み合わされるエンジンの排気量が、
2.5リッター
なのだ。(^^;
プリウスでも1.8リッターか2リッターだし、そもそも日本仕様のクロストレックに採用されているエンジンは2リッターだ。
なのに、
なぜ2.5リッターエンジンと組み合わせたのか?
誰もが抱くであろうこの疑問の答えが、
広島スバル福山店のブログに掲載されていた。
下記のような理由らしい。
「ストロングハイブリッドシステム化による
システムの重量増をカバーするだけでなく、
最も効率的な排気量とする為に採用しました。
また、加速時や高速巡行時の
エンジン回転数の上昇を抑制し、
騒音を低減すべく、
2.5Lエンジンを採用しています。」
●【徹底解説】クロストレック ストロングハイブリッドモデルをご紹介します!
https://www.hiroshima-subaru.co.jp/archives/blog08/43108
うーーーん。。。(^_^;
「効率的」というのはウソではないんだろうけど、
言い方を換えると、
「2リッターでは力不足なんで、
2.5リッターにしました。」
ってことだよね。(^^;
「加速時や高速巡行時のエンジン回転数の上昇を抑制し、騒音を低減すべく、」という部分に関しても、以前インプレッサG4の2リッター純ガソリン車に乗っていた私から言わせれば、別に2リッターでもそんなに回転数上げないといけないわけじゃないし、エンジンの騒音がウルサイわけでもないし。(-_-)
さらなる余裕と静粛性を追求した、というのであれば、それこそもっと上位車種でやってくれよって話。
SUVエントリーモデルのクロストレックでやる話じゃないでしょ、と。(-_-)
ついでに言わせてもらうと、燃料タンクの容量が63リッターというのも多すぎると思う。
燃費が良くなったんだったらタンクの容量が少なくても航続距離は保てるんだから、もっと少なくていいジャン。
満タン入れたら重くなって燃費は悪くなるし、そんなに距離乗らない人だったら、ガソリンがなかなか減らなくてガソリンが古くなってしまうかもしれない。
「ワンタンク1000kmを超える航続距離」
をアピールしてるみたいだけど、ユーザーが求めてるのはそこじゃないだろうと言いたくなる。(-_-)
スバルにしてみれば、
「まぁ排気量は大きいけど、
現行の2リッターモデルよりも
燃費は良くなるから、別にいいでしょ。」
って考えなのかもしれんけど、でも、2.5リッターエンジンは2リッターエンジンより高コストだよね?
当然それって、車両価格に影響するよね?
じゃあ燃費が良くなったことによって浮いたガソリン代で、高額になった車両価格との差額をペイするためには、どれくらいの距離を乗らないといけないのか?
明確な車両価格が公開されてないので何とも言えないが、恐らくは、「燃費がいい」という理由で購入を検討するには、あまりにも高額な価格設定になるような気がして仕方がない。(^^;
4.試乗について
私は、トヨタのハイブリッドシステムが使われる最初のモデルは、次期フォレスターになるんじゃないかと思っていた。
であれば、
愛車候補の対象外(デザイン、イメージ的に)ということで、試乗は考えてなかったのだが、クロストレックとなれば話は変わってくる。
まさかこんな中途半端なタイミングでクロストレックに載せてくるとは思ってなかったからね。(^o^;
現行のクロストレックは、
私の愛車候補の検討対象車種。
なので、
今回のストロングハイブリッド搭載モデルもまた、私の次期愛車候補の1つとして検討することになる。
ただ、、、
試乗するかどうかとなると、
まずは書類選考を突破しなければならない。(^o^;
要するにざっくり言うと、
デザイン、装備、価格を公式Webサイトで確認し、
「この内容、価格であれば、
試乗の結果しだいでは愛車候補に成り得る。」
と判断されたクルマのみ、
試乗のフェーズへと駒を進めることができるのだ。
というわけで、
試乗するかどうかについては、
公式に詳細な情報が公開されてからの判断となる。
ただ、予想される価格帯から考えて、試乗へと駒を進めるのは、ちょっと難しいんじゃないかなぁ、という気はしている。(^^;
5.最後に
一部のネット記事では、「燃費の悪いスバル車」という弱点を払拭するハイブリッドの登場、的な視点の記事が散見されるが、私は正直、今回のストロングハイブリッドを搭載した車種・グレードは、ほとんど売れないだろうと思っている。
その理由として、
2.5リッターエンジンとの組み合わせ、
まずはこれがダメだ。
スバルの弱点、燃費の悪さ。
燃費を気にする客は、何も地球環境のために燃費を抑えたいと思っているわけではない。
単に月々のガソリン代を抑えたい、
つまり「お金を節約したい」のだ。
そういった客からすれば、今回のストロングハイブリッドの車両価格が、純ガソリン車や初代e-BOXERと比べて高過ぎては意味がないのである。
せめて、
「ガソリン代の浮いた分で、
車両価格の差をペイすることはできないけど、
ドライバビリティとのバランスを考えたら、
まぁ納得できる範囲内かな。」
と思える程度の価格でなければ。
もちろん、
ハイパフォーマンスなグレードとして、排気量の大きいハイブリッドモデルがあってもいいんだよ。
でもその前に、
パフォーマンスは純ガソリン車とさほど大きくは変わらないけど、「燃費は圧倒的に良い」というモデルを出すのが先というか、今のスバルの客層に求められてるのはむしろそっちだろうと思うのだ。(-_-)
ましてやクロストレックは、スバルのSUVエントリーモデル。
排気量を1.8リッターかせいぜい2リッターまでに抑えたハイブリッドでなければ、クロストレックとしては価格帯が高くなりすぎるだろう。
クロストレックの客層が、
そんな高額な価格帯について来てくれるだろうか?
ハッキリ言って、難しいと思う。(-_-)
というわけで、
とりあえず今回は、
「トヨタのシステムを使って、
スバルなりのハイブリッド車をつくってみました」
というだけのこと。
これじゃあ商売になるほどには売れないだろうと思うので、このハイブリッドをいかに「低燃費」「低価格」を実現する方向で調整するかが、今後は重要になってくると思う。
でも、たぶん難しいだろうね。(-_-;
というわけで、
せっかく頑張って開発したのに、
こんなこと言って申し訳ないのだが、
「もっと低排気量のエンジンとの組み合わせで、
より低燃費のハイブリッドモデルを出せない限り、
スバルのハイブリッドは販売の
主力グレードになることはできないだろう。」
というのが、今回私が感じた、スバルのストロングハイブリッドに対する率直な感想だ。
単なる直感で申し訳ないけど、やるんだったら、ホンダのe:HEVを使わせてもらったほうが、シンプルで効果も高いと思うんだが。。。(^_^;
まぁでも、まだ一発目だからね。(^^;
これから販売の現場やユーザーの声を聞きながら、開発方針の軌道修正をしつつ、ハイブリッドモデルをブラッシュアップしていってもらいたいと思う。
コメント
アクセラのハイブリッドを思い出しますね
あれも悪くはなかったがマツダらしい魅力があったかというと…
マツダのCX80にも言える事だけど、
燃費そこそこ、走りもそこそこで、あんまり高くしちゃうとさ
ランドクルーザーと勝負しなくちゃいけなくなるよ、ってことですよね
じゃあランクルでいいじゃんってなるわけで
どうせ売れないならもう開き直ってハイブリッドにターボエンジンつけて400馬力とかやらないとインパクト無いし、ランクルの納車待てない人のための受け皿みたいな悲しい車になっちゃうよね
と思ったけど、そういやアイサイトがあったな
それで差別化するか
トヨタの子会社じゃなかったらホンダのe:HEVを使ってたってか本音では使いたかったんじゃないですかね。
自分は一応期待してますよ。
むしろ「単に月々のガソリン代を抑えたいだけの客層」を本当に見限る覚悟があるのならその方がよっぽど期待できます。
けどどうせまたCMで「ピピピピピー!」とかやるんでしょうね。
その辺の割り切りの悪さが今のスバルの地位なんだと思います。
ワンタンク1000kmは初代レヴォーグも謳ってました。
実際に高速を100キロ定速で走ればギリギリ実現できるくらいの航続距離はありました。
今のSGP車になってから乗り心地と引き換えに燃費がガッツリ悪くなったのです。
なので昔を知ってるユーザーにしてみればある意味原点回帰です。
(昔のXVがどうだったかは知りませんが)
さすがに次期インプは63Lってことは無いんじゃないでしょうか。
同じ2.5Lのハリアーの方がエンジンのスペック高いし、価格や乗り味などにもよりますけどハリアーでいいんじゃないでしょうか。勝手なイメージですがリセールもハリアーの方が良さそうですし。
THSベースなのはトヨタが無償で提供してくれて開発コストを抑えられるからですかね?
スバルユーザーにはトヨタユーザーのような燃費至上主義者はほぼいないと思うんでスバルの強みを尖らせられればいいですけど・・・。
大昔からみんな騙されてるけど同じレイアウトのエンジンなら排気量の大小は原価ほぼ同じでは?
シリンダーブロックは大きめに設計して同じものを使う
小排気量のほうはシリンダーの穴が小さいだけ
あとはピストンコンロッドなんかの寸法が違うだけ原価の違いは金属代(アルミ?)数百円でしょう
BMWベンツなんかはまったく同じエンジンでパワーの違いはコンピュータのマップがちゃうだけ→こんなん原価同じですやん
もちろんそれでは排気量(またはパワー)が大きいほうを高く売れないので原価30万ぐらいの追加装備をつけて百万ぐらい高くして売るんですよ
昔みたいにシングルカムとツインカム、4気筒と6気筒ってちゃんと違うエンジン乗ってるだけ良心的でしたね