2019年11月にフルモデルチェンジで発売された、
ボルボのミッドサイズセダン、新型S60。
先日の記事、
の中でも触れていた通り、次期愛車候補の1つとして試乗を予定していたわけだが、このたび無事に試乗することができた。(^_^)
試乗車は、中間グレードの「T5 Inscription」に、パッケージオプションの「プラスパッケージ」を付けたもの。
私としては、もしS60を選ぶとしたら「プラスパッケージ」を付けるつもりはないので、ちょっと条件の合わない部分もある。
だが、なんせそんなに試乗車のバリエーションもなければ、台数も豊富にあるわけではないため、この試乗車で分かる情報から推測せざるを得ない部分もあるのは仕方のないところだ。(-_-)
さぁ、デザインはイケてる新型S60、その走りはどうか。
以下に率直なインプレッションを述べさせて頂く。
目次
試乗車の概要
年式 | 2019年式 |
走行距離 | 未確認 |
車名 | S60 |
グレード | T5 Inscription |
駆動方式 | FF |
トランスミッション | 8速AT |
装着タイヤ | コンチネンタル PremiumContact 6(235/40R19) |
型式 | DBA-ZB420 |
排気量 | 2.0リッター(ターボ) |
最高出力 | 254ps/5500rpm |
最大トルク | 35.7kgf・m/1500-4800rpm |
全長 | 4760mm |
全幅 | 1850mm |
全高 | 1435mm |
車両重量 | 1680kg(サンルーフ装着時) |
車両本体価格 | 614万円(税込) +41万円(プラスパッケージ) |
試乗日 | 2019年11月27日 |
|
試乗インプレッション
1.走りの性能・・・★★★★☆
スポーティーな走りを楽しもうと思ったら、ドライブモードを切り換えないと物足りないかなとは思うけど、ゆったり流すコンフォートセダンとしての走りを楽しもうということであれば優秀だと思う。
スポーティー、コンフォート、どちらにも対応できる走りの奥行きみたいなのがあって、決して悪くはないのだが、願わくばもう少しデフォルトの状態で明確にどっちかに振ってもらいたいところ。
だが、持っている基本性能は高い。
総合的に見て、4つ★は付けてもいいだろう。
(1)発進挙動・・・★★★★★
まず、ブレーキを緩めてクリープで動き出した瞬間に感じるのは「なめらかさ」。
そしてアクセルを微妙に踏み込むと、こちらの意図した通りの繊細な加速をしてくれる。
メルセデスのCLAで感じたような、アクセルの踏み始めの部分で不自然な感触を感じることもなかったし、アクセルの踏み込み量に対するリニア感も完璧だ。(^_^)
まぁそれだけだったら4つ★にするところなのだが、アクセルの微妙な踏み込みに対する反応の繊細さ、これが他のクルマに比べると1歩上を行ってると感じたので、今回、発進挙動の評価としては珍しく5つ★を付けさせて頂いた。
動力性能には余裕があっても、発進での下品な飛び出し感は皆無。
アクセルペダルへの繊細なタッチを、繊細に感じ取ってクルマの動きに反映させる。
そんなに難しくないように思われるかもしれないが、実際ここまで繊細な反応を見せるクルマはなかなか無い。
その点において今回の新型S60は、非常に優秀な仕上がりと言える。
(2)加速フィール・・・★★★☆☆
発進後、中速域までの加速は言うまでもなくリニアでスムーズ。
その点に関しては発進で感じた通りの好印象が持続する感じ。(^_^)
ただ、、、
ちょっとね、少し強めの加速をさせようとした時の加速レスポンスがイマイチだ。(-_-)
アクセルを微妙に踏み増しして微妙に加速をさせる際の反応は実に繊細なのだが、一方で、アクセルをグッ!と踏む感じの加速のさせ方では、なかなかエンジンが反応してくれない。
もちろん、ひとたび加速し始めれば、そこから先の加速フィールは良好なのだが、ちょっとしたダッシュをさせたい時などにことごとく反応が遅れるため、走り全体を通しての加速フィールはあまり良いとは言えない、というのが正直な印象だ。(-_-)
(3)パワーフィール・・・★★★★☆
まず、今回はいつもの定番試乗コースとは違う試乗コースだったため、いつもの急坂ほどの坂道が無かったことを、あらかじめお伝えしておく。
その代わり、今回の試乗コース内で唯一の明らかな上り坂という所(寝屋川バイパスの高架橋)で、速度を落とした状態から急加速を試してみた。
アクセルを踏み込んでみたが、やはりレスポンスはイマイチだ。
しかし、加速し始めてからは力強く、上り坂でも余裕の加速を見せてくれた。
エンジンのレンポンスがイマイチだったため、高回転まで回る前に坂を上りきってしまい、3千回転チョイぐらいまでしか回せなかったのだが、もう3千回転ぐらいで十分にラクラクと加速していったので、ほとんどの走行シーンでは3千回転より上まで回す必要がないだろう。
よって、パワーフィールとしては4つ★を与えてもいいだろう。
しかし、何度も言うように、アクセルを踏み込んでからの加速レスポンスが悪いため、トータルでの印象としてパンチがあるように感じないところが惜しい。
せっかく高い性能を持ったエンジンを積んでいるのだから、その性能をもっと分かりやすく感じさせるセッティングをしないと、もったいないというか、スゴく損をしているように感じるのだが。。。(^_^;
そう言えば、XC40のT5に試乗した時も、同じように急加速のレスポンスがイマイチだったことを思い出した。
どうもやはり、ドライブモードがノーマル(COMFORT)だと、アクセルの踏み込みに対する反応がのんびりしすぎている感じだ。
恐らくスポーツモード(DYNAMIC)に切り換えればレスポンスも鋭くなるんだろうけどね。
でも、エンジン始動後は必ずノーマルモード(COMFORT)で始動するわけだし、いちいち急加速したい時だけスポーツモード(DYNAMIC)に切り換えるような面倒なことをするつもりはない。
やっぱりノーマルモード(COMFORT)の状態であっても、もう少しドライバーの意図を察して、素早く加速態勢に入るようにしてもらいたい。(-_-)
(4)ハンドリング・・・★★★☆☆
今回の試乗コースには急気味にハンドルを切れるような場所がなかったので、スポーティーな走行をさせた時のハンドリングについてはちょっと分からないのだが、通常の街乗りにおいては不自然な挙動もなく、イメージ通りに曲がってくれる感じ。
微妙に素早くハンドルを左右に振ってみた時の動きを見ると、少なくともクイックな反応ではない。
でも、ダルいというわけでもない、まぁ通常の乗用車として適切と言える範囲内の反応だ。
ステアリング操作に対する反応の繊細さでは、先日試乗したメルセデスのCLAよりは少し劣る印象だが、それでも一般的に見れば悪くはない。
ただ、一応、ボルボにおける「S60」のキャラ設定は「スポーツセダン」らしいし、ましてや今回の試乗車は「プラスパッケージ」のパッケージオプションが付いていて、40扁平の19インチタイヤを履いていることを考えると、もう少しクイックかつ繊細な反応が欲しかったところだ。
なので、コンフォートセダンであれば4つ★を付けるところだが、今回、スポーツセダンとしては3つ★が妥当と判断した。
(5)ステアフィール・・・★★★★☆
いいね! (^o^)
操舵感は、先日試乗したメルセデスのCLAと似ているのだが、路面から伝わるインフォメーションはこっち(S60)の方が濃いね。(^_^)
でもそのインフォメーションがすごくスッキリしていて雑味がない。
本当に必要な情報だけを選び抜いて伝えてくるかのような、すごく品のあるステアフィールだ。
なるほど、ここだけ見れば、確かに紛れもないスポーツセダンだ。(^o^)
感触の良いフィーリング、しかもクルマのキャラクターともマッチしているとなれば、ここは5つ★を付けても良いはずのところだが、評価としては4つ★とさせて頂いた。
5つ★にあと一歩何が足りなかったと言えば、ハンドルを切った際の手応え。
ちょっとスポーツセダンと言うには軽すぎるかな、と。(^^;
操舵感の重さについては、3段階に設定できるようになっているので、ひょっとしたら重めに設定すればちょうど良くなるのかもしれない。(試してないので分からないが)
ただ、「スポーツセダン」と言うのであれば、デフォルトでもう少し手応えがあるようにしておくべきだろう。
(6)ブレーキフィール・・・★★★★☆
カチッとした硬質感のあるブレーキタッチ。
近年のクルマはブレーキの踏み始めのところで、やたらと初期制動が鋭く立ち上がる傾向があるが、このクルマは制動力の立ち上がりがやや穏やか。(^_^)
そして、ブレーキペダルの微妙な踏み加減に対し、繊細かつリニアに制動力が発生する。
これは私の好きな感触だ。(^_^)
じゃあ完璧かと言うと、完璧ではない。
少し残念なのは、ブレーキペダルの「動き」がちょっと少ないかな、と感じるところ。
ブレーキペダルを踏んでも、あまりペダルが奥に入っていかない感じ。
もちろん、フニャフニャで、踏むとすぐにグーーーッと入っていってしまうような頼りないブレーキペダルよりは全然良いのだが、もうちょっと入っていったほうが感触としては自然かな、と思う。
まぁすぐに慣れるレベルだし、別に大きな問題ではないけどね。(^_^)
2.乗り心地・・・★★★☆☆
乗り心地全体の印象としては硬質な印象が強い。
ただし、乗り心地が悪いという意味での硬質さではなく、あくまでもしっかりとした足回りという感じ。
よって、ややスポーティー方向という印象ではあるのだが、硬質ではあるものの「なめらかさ」もあり、荒れた路面を通過する際のボディの動きやショックの伝わり方などにはコンフォートという印象も共存している感じ。
硬質な印象を生んでいる要因としては、今回の試乗車が装備しているオプションに含まれる、40扁平の19インチタイヤ、これの影響があるのかも。
この乗り心地の感触なら、標準のタイヤ、17インチか18インチを履いたほうが、よりバランスが良くなるんじゃないかという気がする。
まぁそこは想像にすぎないが、恐らく標準のタイヤであれば、スポーティー方向というよりは、むしろややコンフォート寄りの感触になるんじゃないかと。
とにかく、19インチを履いているがために、ちょっとキャラクターにチグハグな面が生じている気がするので、ここは3つ★評価とさせて頂いた。
でも、足回りのベースは良さそうだ。(^_^)
(1)スポーツ性・・・★★★☆☆
走り出してまず感じるのが、走りの剛性感。
なめらかな感触ではあるのだが、その割には路面状態の微妙な凹凸を分かりやすく伝えてくる。
そのため、なめらかであると感じると同時に、硬質な印象も受ける。
ムダな振動が非常によく抑えられているため、路面変化に追従して足回りが動いている感触がはっきりと分かるし、しっかりした足回りなので、スポーツ走行をさせても十分にこなせると思う。
(2)コンフォート性・・・★★★☆☆
足がよく動いて、荒れた路面を通過しても足回りでかなり吸収してくれるので、車体の上下動がよく抑えられている。
荒れた路面を通過した際の感触も、それなりにショックは感じるのだが、ムダな振動がないためかスッキリしていて上品な印象。
全体として硬質な印象であるため、いわゆるコンフォートという感じではないかもしれないが、伝わってくる感触に不快感が全くないので、そういう意味ではコンフォートと言える。
3.静粛性・・・★★★★☆
走り始めると、第一印象として明らかに静か。
ロードノイズもよく抑えられているし、周囲からの音の侵入も少ない。
剛性感があってムダな振動音が発生しないため、全体的に低質音の発生も少ない。
通常の街乗り走行におけるエンジン回転数の領域、すなわち3千回転ぐらいまででは、エンジン音の侵入もあまり感じず、よく抑えられていると感じる。
まさに「高級車」という感じの雰囲気が漂う静粛性だ。
ただ、「エンジン音の侵入のさせ方」に関しては、やや中途半端かな。
エンジン音の侵入が抑えられているとは言っても、やはり3千回転以上まで回せばそれなりにエンジン音は聞こえるわけだが、聞かせることを意識した感じではないな、という感じ。
例えばすでに試乗済みの新型BMW 3シリーズの場合、普通に走らせている状況ではほとんどエンジン音が聞こえないくらい静かだが、ある程度以上エンジンを回した時に聞こえるエンジン音は、明らかに「聞かせる」ことを意識したエンジン音に仕上げられている。
その点、新型S60の場合、車内に通過してくるエンジン音は「聞かせるための音」というよりは、「仕方なく聞こえてしまっている音」という感じがするのだ。
普通のクルマならそれでいいと言うか、それで十分だと思うのだが、やはりS60ほどのクルマ、しかもT5エンジンを積むグレードとなれば、ただ出来るだけ静かにしようとするだけでなく、「聞こえてしまう音」に対してもこだわった遮音の仕方をしてもらいたい。
4.エンジン音の音質・・・★★★★☆
まぁ一般的なエンジン音と比べれば、比較的いい音だね。
がさつな感じも一切しないし、チャチな感じもしない。
以前、XC40に試乗した時は、もっと軽い感じの音がしたと思うのだが、今回はそんなことはなかった。
エンジンはどちらもT5で同じだと思ってたんだけど、スペックを比較すると最大トルクを発生する回転数の範囲がXC40とS60では異なるようなので、実はちょっとチューニングを変えていて、それによってエンジン音が変わってるとか?
それとも単にボディ構造や遮音の仕方が異なるために、車内に通過してくる音の周波数成分のバランスが違うからなのか?
まぁそのへんは分からないが、とにかくXC40のT5モデルに試乗した時に感じたエンジン音よりは、新型S60のほうが良い音だと思う。
でも、エモーショナルな感じでもなく、わざわざ聞きたくなるほどの音でもない。
静粛性のところでも触れた通り、遮音が中途半端で、「聞かせる」感じの聞こえ方ではないのが残念だ。
意識的にエンジンを回した時には、もうちょっと積極的に聞かせる感じがあってもいいんじゃないかと思うのだが。。。(-_-)
5.居住性・・・★★★★☆
完璧とは言わないまでも、かなりいい感じ。(^_^)
まぁ下記で述べる通り、細かい残念ポイントもあるにはあるが、スペース的には全く不満は無いし、クルマのサイズの割には何となくボリューム感があって安堵感がある。
トータルで見て、もう少し後席のスペースに余裕があったら5つ★を与えてもいいと思ったぐらいなので、4つ★としては上位という印象だ。
(1)運転席・・・★★★★☆
シートの座り心地もいい感じだし、パワーシート及びステアリングの調整幅も十分で、思い通りのドライビングポジションに設定できた。
頭上のスペースはもちろん十分だし、シートのボリューム感、オシャレでスッキリしたインテリアなど、居心地がいい空間だ。
あえて欠点を挙げるとすれば、まずステアリングのチルト&テレスコ調整がしにくい。
電動ではなく手動での調整なのだが、ステアリングのロックを解除するレバーがだいぶ奥のほうにあるため、手が届きにくい。
なので、ステアリングを好みの位置に合わせてその状態でロックしようとする際に、下の奥のほうまで手を伸ばさないといけないため、せっかく合わせたステアリングが動いてしまう。(^o^;
1回目それで調整に失敗して、2回目の再調整で合わせることが出来たのだが、たぶんこれ、誰がやっても1回目はステアリングが動いてしまって失敗するんじゃないかな? (^o^;
まぁ乗るたびに調整するわけじゃないし、1度合わせてしまえばそのままなんだから大した問題ではないのかもしれないが、ここはもう少し配慮が欲しかったな。(^^;
あと、「居住性」とはまたちょっと違う話にはなるのだが、試乗が終わって、車庫入れをしようとした時に「えっ!?」と思ったことが1つ。
シフトを「R(リバース)」に入れようとした時、シフトレバーをどこに動かせばいいのか分からなかった。
というのも、シフト位置の表記がシフトレバーの上に書かれているため、シフトレバーを握ると表記が見えなくなるから。(^o^;
普通はセンターコンソール上に表記するモンだろう。
マニュアル車ならシフトレバーの上に表記するのが普通だが、ATでこの表記の仕方はよろしくない。
マニュアルであれば、ギヤ選択の際にシフトレバーに傾きを与えて1アクションでシフトを選択できるから問題ないが、ATのように各シフトが1列に並んでいる場合は、任意のシフトに合わせるためにシフトレバーを何段階動かす必要があるのかを確認した上で操作しなければならない。
なのに、シフトレバーを握ったらシフト位置の表記が見えなくなるって、それはいかんだろう。(^_^;
もちろん、所有して慣れてしまえばわざわざ確認することもなくなるわけだが、クルマによってシフトレバーを何段階動かす必要があるかは変わってくるわけだし、操作ミスを防ぐという意味でも、やはりATであればシフト位置の表記はセンターコンソール上にすべきだと思う。
(2)後席・・・★★★★☆
運転席を自分のドライビングポジションに合わせた状態で後席に乗り込んでみると、ヒザ前は拳を縦に1個半、頭上は手のひら2枚分の余裕があった。
今やスペースの広いクルマはたくさんあるだけに、一般的には広いとまでは言えないのかもしれないが、私としては十分と思える広さだ。
もちろん、私がこだわるヘッドレストの位置も、デフォルトのままで頭を支えてくれる位置にある。
さすがは安全のボルボ。基本的なところがきっちりしてるね。(^_^)
そして、他のクルマと比較して明らかに優れているのがホールド感。
後席のシートって、ほとんど平面的でサイドのサポートはほとんどないことが多いというか、それが普通みたいな感じなのだが、この新型S60の後席シートはサイドサポートがしっかりあって、肩のあたりがスッポリと窪みに収まるような感じになる。
ワンランク上の「守られてる感」がある、そんな感じの後席やね。(^_^)
あと、後席にも、左右独立で温度調整できるエアコンが付いている。
ボルボの特徴的な部分の1つとして、風の吹き出し口がセンターコンソールの後端だけでなくBピラーにも縦長の吹き出し口が付いている。
そのため、風を体に当てやすく、夏場の快適性も高そうだ。(^_^)
6.内装質感・・・★★★★☆
今回の試乗車には「プラスパッケージ」のオプションが付いていたため、ここでの内装質感の評価は、あくまでもプラスパッケージを付けた場合での評価であることを、あらかじめお伝えしておく。
まず、乗り込んだ瞬間のパッと見はいい感じやね。
インパネはほとんどボタン類がなく、第一印象はスッキリしていてオシャレな印象。
メッキや金属パーツなどは、過度に使用されることなく、効果的にアクセントとして機能し、華やかさを演出している。
先進的な雰囲気と相まって、空間全体に何となく高級感が感じられる、そんな雰囲気。
プラスパッケージのオプションにより、ダッシュボードは「テイラードダッシュボード」という人工皮革張りの仕上げになっており、ノーマル内装(樹脂のソフトパッド)よりも上質感を演出している。
しかし、これの質感がイマイチ!
見た目の質感も、わざわざ人工皮革を使った割には、表面の素材感に柔らかみが感じられず、実際に指で押してみても正直硬い。(^o^;
そして、センターコンソールの両サイドやドアの内張りなどの細かいところを見ていくと、実は意外とそれほど高級感のある素材を使ってるわけではないことに気付く。
特にパワーウインドウスイッチの周辺などはパネルもプラスチッキーだし、スイッチ自体もまるでそのへんの国産大衆車と変わらないような素材感で、造形にも何ら工夫や演出は感じられない。
シフトノブもなかなか残念で、車内全体のオシャレな雰囲気の中にあっては不釣合いだと感じるほど、シフトノブのデザインが地味。
「居住性」のところでも触れた通り、機能性という点でも疑問符をつけたくなるシフトノブだ。
もし、T6グレード専用装備の「クリスタルシフトノブ」がT4およびT5グレードにオプション設定されていれば、絶対にオプションを選びたいと思うのだが、設定が無いのが痛い。(-_-)
と、細かく見れば完璧には程遠い質感ではあるのだが、それでもパッと見で、オシャレで高級感のある雰囲気を感じさせるあたり、上手い内装だなぁと思う。
なので、まぁ4つ★は与えてもいいレベルだろう。
7.装備・・・★★★★☆
もはや当たり前のLEDヘッドライト。
進行方向を照らしてくれるアクティブベンディング機能、いわゆるAFSの機能も付いている。
ロービームとハイビームの切り換えは、「フルアクティブハイビーム」が標準装備だ。
これはXC40に付いていた「アクティブハイビーム」とは少し違う。
「アクティブハイビーム」が単なるハイ/ローの切り換えだけなのに対し、「フルアクティブハイビーム」は前走車や対向車への眩惑を防ぐように配光エリアを自動調整してくれる。
先進安全装備に関しては、安全にこだわるボルボらしく、正直余計なお世話的な装備まで含め、てんこ盛りで標準装備されている。
でも、後方に対する安全支援装備までが標準で付いてくるのはうれしいところ。(^_^)
運転席と助手席は、共にシートメモリー付きの8ウェイパワーシート。
シートヒーター、ベンチレーション機能、いずれも標準装備となっている。
さらに、どうせ飾りレベルだろうとは思うものの、実際使ってないのでわからないが、「マッサージ機能」までもが標準装備だ。(^o^;
ナビとテレビチューナーは標準装備。
ナビに関しては、これからはスマホ連携によるアプリの台頭もあり、クルマの標準装備としての在り方は変わっていくと思うのだが、今のところ、私としてはまだ専用装備のナビのほうが煩わしさが少なくていいと思っている。
エアコンは4ゾーンのフルオートエアコン。
つまり、前席の左右と後席の左右を独立して温度設定できる、特に後席の快適性を高める上で有利な、上等なエアコンだ。(^_^)
なかなか他のクルマでは見かけない、グローブボックスの保冷機能(グローブボックスクーリング機能)も付いている。
また、エアクオリティシステムも標準装備。
このへんはXC40と同様といったところだ。(XC40は2ゾーンのエアコンだったが)
そして驚くべきは、後述するが、標準のオーディオとして
「harman/kardonプレミアムサウンド・オーディオシステム(600W, 14スピーカー)」
が付いているところ。(^^;
まぁあとは、イマドキのこのクラスのクルマなら、標準装備されていて当然な装備類は大体すべて揃っている。
自動防眩のルームミラーとドアミラー、ドアミラーはリバース連動機構付き。
オートホールド機能付きの電動パーキングブレーキ。
レインセンサー式のワイパーは、最近トレンドになろうとしつつある「ウォッシャー一体型」のワイパーだ。
一般的に見て、装備は充実していると言っていいレベルだろう。
8.オーディオ音質・・・★★★★★
出たぁぁぁーーーっっっ!
久しぶりの5つ★!! (^O^)
しかも標準装備のオーディオで!!
ここでクイズ。
過去に、私がオーディオの音質評価で5つ★を付けたのは、さて、どのクルマでしょうか?
答えは、、、
私も忘れたよ。(^O^;
確かクラウンのどれかに5つ★を付けたことがあると思うんだが、どれだったか・・・。
クラウン以外にあったかなぁ?
それぐらい、極めて稀なことだよ、5つ★を付けるのなんて。(^o^;
と、それはともかく、どんな音質だったのか、説明していくとしよう。(^_^)
まず、デフォルトの設定のままで、低音と高音のバランスが実に絶妙。
細かい音までしっかりと繊細に再生されており、複数の楽器の音が重なるほどに、その繊細さが生きてくる。
どの楽器の音に耳を傾けてみても、その1つ1つの微妙な音までちゃんとクリアに聞こえる。
なので、全ての音が重なっても音同士がケンカせずキレイに調和して、音全体に雑味が出ない。
それぞれの音がそれぞれにふさわしい主張をするため、全体として何となく「厚み」「深み」を持って聞こえる、そんな感じ。
また、単に音質が良いというだけでなく、臨場感を生む音場演出などといった、特に特別な設定をイジることなく臨場感を持って聞こえるところも素晴らしい。
つまり、単に音がピュアなだけではなく、リスニング環境も含めた高音質が追求されていると感じる。
このカーオーディオは、私が今までに聴いたカーオーディオの中でも、間違いなく最高だと思う。(^o^)
ちなみに今回試乗したグレード「T5 Inscription」に標準装備されているのは、なんと
「harman/kardonプレミアムサウンド・オーディオシステム(600W, 14スピーカー)」
だったりする。
このレベルのオーディオを標準で載せちゃうかぁ、、、なんかスゲェな。(^o^;
なお、オプションのオーディオとして、
「Bowers&Wilkinsプレミアムサウンド・オーディオシステム(1100W, 15スピーカー)」
も用意されている。
そのオプションオーディオだと、さらにいい音が聴けるのだろうか?
ちょっと想像つかないというか、クルマで聴くオーディオに、そこまで必要ないッス。(^o^;
9.デザイン・・・★★★★★
やはりエクステリアの完成度の高さ、これは大したものだし、インテリアも雰囲気作りが上手い。
迷ったが、ここは思い切って、総合評価で5つ★を付けさせて頂いた。
(1)エクステリア・・・★★★★★
エクステリアについては、試乗に先駆けて行ったデビューフェアの場で結構しっかり見たのだが、あらためて今回の試乗後にも眺めてみた。
結論から言うと、素晴らしいね! (^o^)
よくよく見ると、曲線と直線を見事に融合したデザインだと思う。
基本的に全体が水平基調のデザインのためか、ワイド&ローな雰囲気とドシッとした感じが出ており、風格までも感じさせる佇まいだ。
ドアのデザインが秀逸で、ドアの下の方を明確にくぼませることでスリムな陰影が生まれ、実際の全長以上に伸びやかな印象のサイドビューが演出されている。
また、ドアの上の方は曲線によって厚みが感じられ、それが重厚感と高級感を生んでいる。
写真で見ると、造形的には特別に際立った個性は感じないし、実際に実車を見ても奇抜さや新しさは感じないのだが、実車のそばに立って眺めると、デザイン全体の調和という点において、なかなかこれほど完成度の高いデザインはないと感じる。
(2)インテリア・・・★★★★☆
内装質感のところでも触れた通り、細かく見るとチャチな部分が目についたりするのだが、なぜか全体の雰囲気として、スッキリとした高級感のある雰囲気に仕上がっている。
これはまさにデザインの妙、というべきだろう。
ただ、質感はともかくとして、パワーウインドウスイッチを含むその周辺については、もうちょっとデザイン的な配慮が欲しかったところだ。
シフトノブも、T6グレード専用のクリスタルシフトノブが極めてオシャレなだけに、デザイン的な落差が激しくて残念なところ。
そんなわけで、残念な部分はあるのだが、まぁ全体の雰囲気作りの上手さを考えれば十分に4つ★は与えていいだろう。
10.コストパフォーマンス・・・★☆☆☆☆
私が買うとしたら「プラスパッケージ」はつけないので、あくまでも車両本体のみでのコスパを評価するが、それでも1つ★かなぁ。(^_^;
動力性能的に手加減しすぎのフィーリングが少々残念なところやね。
そこをもうちょっと本気出してくれてたら、まぁデザインがライバルに対してかなり優位性を持っているだけに、2つ★は与えてもいいと思うのだが。(^^;
11.総評・・・★★★☆☆
結論から言うと、これはかなり魅力的!
もちろん、随所に気に食わない部分を指摘させて頂いた通り、完璧には程遠い。
だが、デザインの魅力はかなり高いし、オーディオの音質も素晴らしい! (^o^)
「走り」を楽しむと言うよりは、「クルマというアート」、「クルマという空間」を楽しむという意味において、このクルマは相当にレベルが高いと思う。
動力性能や乗り心地の面では、スポーツセダンと呼ぶには中途半端だが、まったり乗るクルマとして考えれば魅力的だ。
しかし、、、
今回の試乗車と同じ状態、つまり車両本体価格の614万円に、プラスパッケージの41万円を足すと655万円。
やはりここまでの価格帯ともなれば、走りの面でもさらなる魅力がないと、相対的な勝負としてはツライものがある。(-_-)
先にも触れたが、「プラスパッケージ」による40扁平の19インチホイール、これとサスペンションの特性があまり合ってない感じがする。
私がこのクルマを買うとしたら「プラスパッケージ」は絶対に付けないので、プラスパッケージの付けていない車両だったらどのような乗り心地なのか?
そこが気になるところだが、それは試乗車がないため、確かめようがないのがツライところ。
つまり、600万円クラスの買い物でバクチをすることになってしまう。
ノーマルモードでの加速レスポンスの悪さも、エンジンのパフォーマンスをあまりにも抑えすぎているように感じるだけに、もったいない感じがしてかなりマイナスの印象だ。
となると、ちょっと4つ★を付けるのは難しいかなぁ、と。(^^;
「走り」も新型3シリーズ並みに楽しくて、しかもこのデザイン、このオシャレ感、この世界観、というのであれば、655万円でも4つ★を付けていいと思うのだが、走りに関しては新型3シリーズと比べると結構な差があるだけに、ここは3つ★どまり、という結論だ。
各評価項目のところでは特に触れなかったが、アイドリングストップを切るための物理スイッチが無いのも地味に痛いところ。(*o*)
わざわざ中央の画面を操作しないとアイドリングストップをオフに出来ないというのは、クルマに乗り込んだらまず真っ先にアイドリングストップをオフにする私にとって、結構な心理的マイナス要素だ。(-_-;
というわけで、良いクルマだとは思うのだが、少なくとも今回試乗したT5グレードに関しては、総合的に判断すると、私の次期愛車候補としては厳しい状況かな、と。(-_-)
しかし!
エントリーグレードの「S60 T4 Momentum」であれば、車両本体価格は489万円。
これに必須とも言えるパッケージオプション「レザーパッケージ(41万円)」を付けたとしても530万円。
それぐらいの価格だったら、他の候補と比べてもいい勝負になる。(^_^)
とはいえ、「S60 T4 Momentum」となると、内装や装備など、いろんなところが格下げされるため、今回の試乗で感じたのと遜色のない質感かどうか、見てみないと何とも言えない。
ちなみに、先日デビューフェアに行った時の話では、T4グレードに関しては試乗車を準備する予定はない、とのことだったのだが、あれから話が変わって、
「T4の車両も試乗できるようになるかもしれない」
という話になりつつあるという。
なので、もしT4の車両も用意できるようになったら、そっちを本命としてあらためて試乗させて頂くことになっている。(^_^)
というわけで、新型S60、T5グレードに関してはほぼ落選という結論だが、T4グレードに望みをつなぎたいと思う。
なんせデザインはすごく魅力的だし、捨てがたい候補やからね。(^^;
コメント
オーディオ★★★★★はもうすぐ7年前になる21系のクラウン 3.5アスリートSが最初にして唯一だったと思います。(間違ってたらごめんなさい
T4のレビューも楽しみにしております。
辛口系おやじ(管理人)です。
オーディオ音質の5つ★評価、7年近く前のクラウンでしたか。(^o^;
あらためて試乗記を読み返して、記憶が蘇ってきました。
確かにあれは良い音でした。(^^)
でもオプションだったので、標準装備のオーディオで5つ★は今回が初ですね。(^_^)
ボルボは最近よく見かけるようになってきましたが、これからますます日本国内でも人気が増していくんじゃないかと感じています。
とにかくどんどんデザインが良くなってきてるし、手が届かないほど高くないので、日本車からの乗り換えが増えていきそうな気がします。
T4、まだ乗れるかどうか分かりませんが、ディーラーの営業マンさんが言ってた通りに事が進めば、試乗できると思います。
無事に試乗できたら、本命グレードとしてしっかりとその出来栄えを確かめるつもりですので、試乗記をどうぞお楽しみに。(^_^)
最近はどいつもこいつも奇抜な顔立ちで目立たせようとする車ばかりなので、こういう自然な高級感を感じるデザインはとても好感が持てる
てか日本はタレントの方は平成以降毒気のないさわやかイケメンブームになって久しいのに、なんで車の方は昭和のヤクザ映画みたいな世界になっちゃってるんだろうか
辛口系おやじ(管理人)です。
ホント、最近のボルボのデザインは、センスいいと思います。
(私服が超絶ダサい私が、デザインのセンスについて上から目線で評価するのもなんですが (^o^; )
ちなみに日本車の顔ですが、私は、「昭和のヤクザ映画みたいな世界」のうちは、むしろまだいいかな、と思ってます。
だけど今、徐々にそれを通り越してさらに変わろうとしているように感じていて、その方向性がむしろさらにヤバい方向に行くんじゃないかと危惧しています。
日産のスカイラインがビッグマイナーチェンジで顔を変えましたが、それを見てマジでこれはヤバいと思いました。(^o^;
ここ最近までは「怖がらせる」ような顔が流行りの流れで来てましたが、今後くれぐれも「笑いをとる」ような顔が流行らないことを祈るばかりです。(^^;
おぉー高評価( ﹡ˆoˆ﹡ )
いいですよねー、今のボルボ。外装も内装もかっこいい。
私はずっとメルセデスに憧れてたけど、ちょっと前まで影の薄かったボルボが最近気になっちゃってます
辛口系おやじ(管理人)です。
S60、いろいろ惜しいところもあって総評としては3つ★になりましたが、ベースはよく出来たクルマだと思います。
メルセデスもいいですが、全く異なる世界観を持つボルボ、ぜひご覧になり、試乗してみて下さい。(^_^)
FFなのにFRにしか見えないプロポーションなのがポイント高いですよね
前輪がノーズに対して前寄りの位置にあってフロントオーバーハングがかなり短い
こうなると前輪に対してキャビンがかなり後ろにさがったサイドビューが実現できるので
FFセダンとは思えないくらいスポーティーで引き締まったプロポーションになってるんですよね
辛口系おやじ(管理人)です。
確かにFFとは思えないプロポーションですよね。
そもそもフロントオーバーハングを短くすること自体がFFの場合は難しいわけですが、最近はFFでもいろいろと各部のデザインを工夫して、カッコ良くなっているクルマも増えてきたと感じます。
まぁ相変わらずのクルマのほうが多いですけどね。(^^;
我が愛車インプレッサのメーカー「スバル」は、もっとカッコ良くするためにはボチボチ水平対向エンジンをなんとかしないと、デザインの制約がキツそうです。(^^;