「アムウェイやったらベンツ乗れるで！」

 

　マルチの帝王「アムウェイ」。

 

　昨年（2022年）10月、社名や目的を言わずに勧誘するなど、違法な勧誘行為があったということで、6カ月の取引停止命令を受けていたアムウェイだが、いよいよその期間が終了し、勧誘の再開が可能となる。

 

　ところで、

この記事のタイトル、

「アムウェイやったらベンツ乗れるで！」

実はこれ、

私が昔、アムウェイの勧誘を受けたときに、勧誘してきた奴が放ったセリフなのだ。(^o^)

 

　昨年、アムウェイに取引停止命令が出た際には、

「えっ、今さら！？」

と驚いたし、このたび、その処分が解けるというニュースを見て、あらためて昔しつこい勧誘を受けた時の事をふと思い出した。

 

　そこで今回は、

私がまだ若かった頃のアムウェイとの思い出と「ベンツ」の話、そして、アムウェイについて私が思うこと、アムウェイのイベントに参加した時のことなどを語らせて頂こうと思う。(^_^)

 

１．アムウェイの勧誘

（１）同級生のKくん

　私が初めてアムウェイの勧誘を受けたのは、もう30年以上も前のこと。

高校を卒業して間もなくの頃だった。

 

　勧誘してきたのは、

高校3年の時に同じクラスだったK。

 

　Kとはプライベートで交流があるほど親密だったわけではないが、教室では比較的よく話をしていた仲だった。

というのも、

彼がコンピューター部だったから。

 

　当時、私はコンピューター部ではなかったが、将来はプログラマー・SEの道に進もうと考えていたこともあり、日頃から部活でアセンブラやマシン語でプログラミングをしていたマニアックなKの話は、勉強になる話が多かったのだ。
（ちなみに私はその後、自分のプログラミングセンスの無さに気付いて、ハードウェア設計のほうに志望を変えた）

 

　そんなKとは、クルマの話もよくしていた。

当時は私の「クラウンへの憧れ」が爆発していた時期だったので、クラウンを中心に、その他の高級車（シーマ、セルシオ、インフィニティQ45など）の話をよくしていたのだ。(^o^)

 

（２）Kから初めての電話

　大学受験に失敗した私は、

高校を卒業後、予備校生となった。

 

　クラス分けテストの結果、私立理系選抜クラスに入った私は、「選抜クラス」の名に恥じない、難関私立大 理系学部への合格を目指し、4月の授業開始を待たず猛勉強の日々を過ごしていた。(^o^)

 

　そんなある日、

Kから電話がかかってきたのだ。

 

　今まで奴から電話がかかってきたことなんて一度もなかったし、私も彼に電話したことは一度もない。

しかも、

お互いすでに卒業して、別々の道に進んでいる。
（正確に言えば、私のほうは足踏み状態だが）

 

　なので、

「えっ？
　Kから電話？
　なんだろう？
　同窓会するにはまだ早いしな。(^o^; 」

と思い、電話に出てみると・・・。。。

 

（３）話だけでも聞きに来て！

　電話に出るとKが言う。

「よぅ、久しぶり！」

 

　いや、

言うほど久しぶりでもない。(^_^;

 

　軽く近況報告して、いよいよ本題。

かと思いきや、

なかなか話が前に進まない。(-_-;

 

　寝る時間と食事の時間以外、全て勉強時間にあてていた私としては、長電話で世間話をしてるほど暇じゃない。

シビレを切らしてKの話をさえぎり、

「で、
　結局なんの用やねん？」

と聞いた。

そこで初めて、

「アムウェイ」

というワードが登場したのだ。(^^;

 

　そこからどんな会話をしたかはあまり覚えていない。

とにかく、

Kの言うことに対して私がそれを否定するような会話がしばらく続いたように思う。

 

　執拗にアムウェイへの加入を勧めるK。

私が拒否し続けても、

「やってみて嫌やったらやめるのは自由やし、
　やらずに否定せんと、やってみればええやん。
　食わず嫌いは良くないで。」

などと、まるで「SEV信者」みたいなことを言い出す始末。(^o^)

 

　それでも拒否し続ける私に、Kは言った。
　
「俺の説明が下手やから
　アムウェイの良さが伝わらんのやと思う。

　今度スゴい詳しい人が来て話してくれるから、
　その人の話だけでも聞きに来てや。

　それでもやりたくないなら、
　俺もあきらめがつくし。」

 

　しかし私は浪人生。

今はそんなムダな話を聞いてる暇はないことを伝えたが、なんと、それでもKは引き下がらない。(-_-;

 

　もう電話してる時間がもったいないので、

強引に電話を切ろうとした私に、

最後にKが放った言葉がこれだ。

 

「アムウェイやったらベンツ乗れるで！」

（アムウェイをやれば、
　ベンツに乗れるようになるよ！
　という意味）

 

　彼とはそれ以来、会ってもいないし、

電話もしていない。(-_-)

 

（４）孤立するK

　Kの電話からどれくらい後だったか定かではないが、今度はKとは別の同級生で、私と同じ部活だった友人のTから電話がかかってきた。

 

　私からTに電話することは多かったが、Tからかかってくるのは珍しかったので、何かと思って電話に出ると、

「お前、K知ってるやろ？
　アイツから電話あったら気を付けろよ。
　アムウェイっていうビジネス勧めてきて、
　メッチャしつこいから。」

と言うのだ。(^o^)

 

　もうすでに電話かかってきて、断ったと話すと、

「さすがやな！ (^o^)
　俺、うまいこと言いくるめられて、
　とりあえず説明会に行くだけ行って
　断ろうと思ったんやけど、
　断ってもなかなか引き下がってくれんくて、
　メッチャ大変やってん。
　まぁ最終的には断れたけどな。(^_^; 」

とのこと。

 

　なので、

自分と同じ大変な思いをしないようにと、

Tは親しい友人に電話をかけて、

Kに注意するよう呼びかけているのだと。(^o^)

 

　成人式には私は行かなかったが、行った奴らの話を後で聞くと、高校卒業後にKからかかってきた勧誘電話の話がネタにされていたらしく、どうやらかなりあちこちに電話をかけまくっていたようだ。(^^;

こうしてKは孤立していった。

 

（５）人が変わってしまう

　アムウェイをやっている全員がそうだとは言わない。

だが、

私が電話でKと話していて感じたのは、

人が変わってしまった

ということ。

 

　悪い奴じゃなかった。

少なくとも、あんなにしつこい奴じゃなかったはず。

自分の考えをしっかり持っているだけに、人の言うことや考えに対して否定することはあっても、それを何がなんでも変えさせようとすることはなかった。

 

　電話で話したKは、

私が高校時代によく話をしていたKではなかった。

彼に少しでも私を理解しようとする心が残っていたならば、せめて最後の言葉は、

「アムウェイやったらクラウン乗れるで！」

であって欲しかったと思う。

 

「俺、
　お前にベンツの話なんかしたことないやろが」

って言いたいね。(-_-)

 

２．アムウェイについて私が思うこと

（１）違法な勧誘行為になりやすい

　昔のKのように、名簿使って片っ端から電話で勧誘しても、避けられるだけだし効率が悪い。

 

　会って勧誘しようにも、いきなり「アムウェイ」というキーワードを出してしまうと、そこでシャットアウトされてしまって、会うことすら出来ないのが普通だ。

 

　そうするとどうなるかというと、

まずは全く別の名目で人をおびき寄せよう

とするわけだ。(^^;

それは何らかのイベントだったり飲み会だったり、いろいろだ。

 

　しかし、

そこでベタな勧誘行為をしてしまうと、本来の目的を告げていない、違法な勧誘となってしまう。

 

　かと言って、

勧誘できなければ、おびき寄せた意味がない。

 

　なので、

例えば、自然な会話の流れであるかのようにアムウェイ商品の話にさりげなく持ち込まないといけない。

 

　この、勧誘に持ち込む過程とか、どれくらいしつこいと勧誘目的がメインとみなされるのか、そのへんの線引きがグレーなので、違法な勧誘行為になりやすいのだろうと思う。

 

　すでに大儲けしてる階級の奴は、危ない勧誘の仕方をしなくても、羽振りの良いところを見せつけるだけで勧誘になるので、違法な勧誘はしないだろうと思うんだけどね。(^o^)

 

　問題は、

稼げるようになるまでにどうやって勧誘するか

なんだよな。(^_^;

 

　まだ稼げてない奴は、とにかく仲間を増やさないと儲からないので、勧誘に必死になるが余り、違法な勧誘になりやすいのだろう。

 

（２）アムウェイは忙しい！

　アムウェイでの成功イメージとしては、

「自分の傘下に仲間がいっぱい増えて、
　何もしなくても不労所得が入ってくる」

みたいなイメージがあるかもしれないが、

私から見ると、とてもそうには見えない。(^^;

 

　私の知人に、何かの宝石の名前がついた階級までいってる奴がいるのだが、休みのたびにアムウェイの仲間とイベントをやったり、ミーティングしたり、とにかくやたらとアムウェイ関連の「交流」が多い。(^o^;

 

　社交的な人なら苦にならないのかもしれないが、私のように内向的な人間から見ると、アムウェイ成功者の生活は地獄のような生活にしか見えないし、そもそも不労所得と言うにはほど遠い忙しさに見える。(^^;

 

　たとえ成功しても、

アムウェイは忙しそうなのだ。(^o^;

 

（３）アムウェイワールドで生きている？

　50年以上も生きていると、アムウェイやってる奴と、何人かは遭遇するものだ。

 

　アムウェイやってる奴を見ていると、なんだかんだで、プライベートはほぼアムウェイの仲間とばかりつるんでいるように見える。

 

　メッチャ上の階級の何とかさんが主催するイベントがあるとかで、わざわざ参加費を払ってまで参加してたりするのを見ると、

「お前それ、稼ぐどころか、
　マイナスじゃねーのか？ (^_^; 」

と言いたくなるが、

まぁ友達でもないし、本人が行きたくて行くのだから余計なことは言わないようにはしている。(^^;

 

　アムウェイ以外の人間ともバランスをとってコミュニケーションを取れている、まともな奴もいるにはいるが、私が見てきた限りではそれは少数派だ。

どちらかと言うと、まるで、

アムウェイワールド

という別世界で生きてんじゃないかと思うくらい、やたらアムウェイ仲間とばかりつるんでる奴が多いように感じるのは私だけだろうか？ (^^;

 

　たぶんアムウェイ仲間以外からは

避けられてるんだろうな。(-_-;

 

　まぁ「アムウェイやったら友達なくすよ」ってゆうのは、昔から一般によく言われてることだし、実際Kみたいに、友達に限らずみんなから避けられるようになってしまった奴を、他にも知ってるしね。(^_^;

 

（４）カネにならん奴は無視か？

　アムウェイやってる奴に出会うということは、勧誘されることもある、ということだ。

 

　まぁ私を勧誘してもムダであることは言うまでもないが、社会人になってから受けたアムウェイの勧誘で、とても衝撃的だったことがある。

 

　私の仕事場にチョイチョイ出入りしていた人（女性）で、とても明るくて愛想のいい人がいた。

遠くにいても、私を見つけたら笑顔で会釈してくれる、礼儀正しい人だなと感じていた。

 

　ある日その人が、

「アムウェイ商品の説明を
　聞いて欲しいんです。
　買う買わないはもちろん自由なんで、
　気に入らなかったら断ってもらって
　全然OKですので、お願いします。(^_^; 」

と言う。

 

　超絶貧乏な私に、アムウェイの高級な商品など買えるわけがないと言ったのだが、

「とにかく説明だけでも聞いて欲しい」

と食い下がるので、

説明を聞いてあげることにした。

 

　すると、

場所を変えて、アムウェイの洗剤の説明から始まり、その洗剤を使った実演までやり始めた。

まぁよくあるパターンやね。(^_^;

 

　説明と実演が終わり、

「良い洗剤なのは分かったけど、いりません。
　私が使う洗剤は安物で十分です。」

と告げると、今度は、

ディストリビューターになりませんか？

と勧誘してきた。

 

　要するに、

アムウェイで稼ぎませんか？

という、王道の勧誘やね。(^^;

 

　当然、全てお断り。(^o^)

 

　最初から分かっていた通り、お互い時間をムダにしたわけだが、まぁ職場に出入りしてる人だし、聞ける範囲のお願いは聞いてやろうということで、ムダを承知で説明を聞いてあげたわけだ。

 

　そしたらなんと！

次に私と職場で会っても、

挨拶どころか会釈すらしない。

いや、目も合わせようとしない。

 

　人ってこんな極端に

態度を変えられるものなのか！？

って思ったね。(^o^;

 

　せっかくお願いを聞いてやったのに、

私に時間を取らせたことに対するお礼の言葉も無し。(-_-)

 

　カネにならん奴と分かったら無視ですか？

そりゃあそんなんじゃあ、

アムウェイワールドの中でしか、

誰も相手にしてくれないよ。(^_^;

 

３．アムウェイのイベントに参加したら・・・

（１）参加費いらんから来てくれ

　もう5年以上前の話だが、前出の宝石の名前のついた階級の奴に、

「今度アムウェイの、
　○○のイベントがあるんやけど、
　参加費は俺が出すから、
　来てくれへんか？」

「豪華賞品もいっぱいあるし、
　もし運良くゲットできたら
　それもそのまま自分の物にしてええから、
　頼むわ。」

と誘われた。

 

　私をアムウェイに勧誘しようと思ってるのかもしれないが、そんなことはどうでもいい。

超絶貧乏の私にしてみれば、

・参加費はタダ
・豪華賞品ゲットのチャンス！

という条件なら、断る理由はない。(^^)

 

「行かせて頂きます。(^_^) 」

私は即答した。(^^)

 

（２）豪華賞品ゲット！

　イベントに行くと、階級がメッチャ上（らしい）の、ボロ稼ぎしてるというチャラいおっさんが登場。(^o^)

マイク片手に軽妙な語り口で、自分より階級が下の大勢のアムウェイ軍団に向かって、自身の景気のいい話を聞かせつつ、イベントを進行していた。

 

　会場にいたのは、たぶん私以外は全員アムウェイメンバーだったと思う。

ハタから見ればヤバい状況かもしれないが、そんなことはどうでもいい。

私は賞品をゲットすることしか考えてなかった。(^o^)

 

　いつもはくじ運の悪い私だが、

この時ばかりは運が良かった！

 

賞品をゲット！ (^o^)

 

　イベントは大盛況で滞りなく終了。

あれほど多数のアムウェイメンバーに囲まれていながら、勧誘を受けることも一切なかった。

恐らく、

一般の人間をアムウェイに勧誘するためのイベントじゃなく、おっさんが羽振りのいいところを下の者たちに見せつけることで、下の者たちがアムウェイをやめないように、また、モチベーションを維持して勧誘活動に取り組むように仕向けるためのイベントだったんだろうね。(^^)

 

　帰り際に私は、

「また参加してほしい時はいつでもゆーてや。
　タダやったらナンボでも参加するで。(^o^)」

と、

私を誘った宝石の名前のついた階級の奴に告げると、ゲットした賞品を手に帰宅した。(^_^)

 

　後日、

ゲットした賞品をヤフオクで売ったら、

 

なんと！

 

1万5千円ぐらいで売れた！ (^O^)

 

日々の生活費にも困っていた私にとって、これは超ラッキーな臨時収入だった。(^o^)

 

４．最後に

　今回はクルマと関係ない話で申し訳なかった。(-_-)

ただ、

アムウェイの勧誘活動が再開されるというニュースとちょうどタイミングを同じくして、SEVの記事に頂いたコメントを見て、昔Kが言ってたことを思い出し、

「なんかアムウェイ信者とSEV信者って、
　似たところがあるなぁ。(^_^; 」

と思い、

こんな記事を書いてみた次第だ。(^o^;

 

　半年間も止まってただけに、勧誘活動再開となると一気に活発化するかもしれないので、断り下手な人はどうぞお気をつけ下さい。(^^;